2025/05/10
日本音楽能力検定協会です。
今回は歌のモノマネを上達させるための具体的なトレーニング方法を10選にまとめてご紹介させていただきます。
モノマネはお笑い芸人さんなどがやっているイメージですが、実は歌の上達に非常に有効です。
モノマネとは正式には声帯模写と言い、プロ歌手の発声法や癖、表現力を細かく真似することは高度な技術を必要とし、歌の飛躍的な上達に繋がります。
歌マネが上手い人は間違いなく歌が上手いわけですが、逆に言うとモノマネの上達=歌の上達ということになります。
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具体的なやり方:
•Aメロ、サビ、1フレーズずつ区切って何度もリピート再生
•歌詞を見ながらブレス(息継ぎ)の位置、ビブラートがかかっている文字と揺れている回数、フォールやしゃくりを使用しているか、エッジボイスがかかっている音はあるか、発声法はウィスパーボイスかミックスボイスかファルセットかなど、1文字単位で細かく聞き取る。
•一気にAメロBメロサビなどをまとめて物真似することはまず不可能なので、必ず1フレーズごとや1文字ごとに行う
自分なりの言葉でいいので紙などに書き出し、1文字ごとに注意すべき点を視覚化しておきましょう。
押さえておきたいポイント
音程とリズムが完璧でも歌が下手な人が存在します。それは何故かと言うと、音の強弱がおかしいからです。
文字ごとの強弱を10段階に分けて、その曲の中の一番強い音は10、一番弱い音は1に設定し、この文字は3、この文字は7という風に強さも記入していきましょう。
文字ごとの強さを理解できると、その強さで声を出すためにはウィスパーボイスなのか、地声のプルアップなのか、ミックスボイスなのか、ファルセットなのかを導き出しやすくなります。
前項と同様、1文字ずつどの声で発声しているかを分析し、メモしておきます。
例えばファルセット(裏声)で出している文字を無理に地声で歌ってしまっては、どうやっても似ることはありません。
まずは原曲の本人と同じ声の出し方をすることが最も重要です。
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ライブのMCやインタビュー動画などをYouTubeで探し、喋り方もそっくりに出来るようマネするところから始めてみましょう。
歌だけでなく普段の喋り声にも音程があります。
その音程を完璧に真似することで、その人の普段の特徴を掴むことが出来ます。
その他にも相槌の打ち方、笑い方、間の取り方なども細かく研究しましょう。
歌のモノマネをした歌手だけでなく、例えばミッキーマウスやドラえもんなどのキャラクターの真似、もしくはテレビなどでよく見かける電車の車掌さんのモノマネや動物の鳴きマネ、パトカーのサイレンや救急車のサイレンなど、世の中に存在する音を全て自分の口や喉から出すくらいのつもりで練習をすると効果的です。
その最たるものがボイスパーカッションで、ドラムセットの中のバスドラム、スネアドラム、シンバルなどを口で表現するだけでなく、ギターやベース、トランペットや電子音までも見事に声で再現するプロも見たことがあるかと思います。
あのような技術も全て、根本的には「物真似」から始まっています。
自分では「似てる」と思っていても、それは頭蓋骨を通じて骨伝導で聴いた声なので、他者が聞くと全く別物に聞こえていることが多く、その違いを知ることが物真似において最も重要です。
つまり、自分に聞こえる声は似ていなくても、他者に聞こえる声が似ているという状態を目指す必要があります。
初めて録音してみる時はきっと「こんなにも似ていないのか」とがっかりするかも知れませんが、それはものまね芸人たちも同じです。
誰もが同じスタートラインから始め、数えきれない失敗と飽きるほどの試行錯誤を繰り返して、少しずつ似ていくものです。
逆に録音をしないと、いつまでも自分の中だけで「似ているはず」というレベルから抜け出すことは出来ません。
有名な物真似芸人さん達も必ず録音をし、何度も聞き返して修正を行い、また録音するという過程を踏んでいます。
「録音すると自分の粗が分かって恥ずかしいから録音を止めてしまう」のではなく、自分の弱点を見つけるために録音をするという根本的な考え方を忘れないよう、毎日毎日録音してご自身の声を確認してください。
押さえておきたいポイント
1.鏡で自分を見ながら、「笑顔」「真顔」「悲しい顔」の3つの表情を思いきり作ってみてください。
2.次に、それぞれの顔で思いきり「こんにちは」と言ってみましょう。笑顔の時は明るいこんにちは、真顔の時は感情のないこんにちは、悲しい顔の時は苦しそうなこんにちはという声になったはずです。
3.次に、笑顔の状態で真顔の声のこんにちは、または、悲しい顔の状態で笑顔の声のこんにちはを出そうとしてみてください。絶対に不可能であることがお分かりいただけるかと思います。
4.つまり、声の雰囲気と顔の表情は直結しているため、モノマネをする際には表情などから真似すると近道になります。
その他にも
口の開け方や表情以外にも、
・高音を出す時に上を向いているか、下を向いているか
・ウィスパーボイスの時のマイクの距離感はどれくらいか
・ファルセットを出す時に手を頭の横にあげる歌手が多いのは何故なのか
などなど、細かい仕草なども実際に真似してみると、「この動きをするとファルセットが出やすいのか」などと発見があります。
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こうすることでプロの歌と自分の歌の違いを視覚的に確認することが出来ます。
おすすめツール:
•Melodyne(DAWプラグイン):音程やビブラートの形が波形で表示される
•Voicescope(スマホアプリ):リアルタイムで音の高さを可視化
•SoundAnalyzer(PC):フォルマントや倍音構造を確認できる
目的:
自分と歌手の「ビブラートの幅・速さ」「音程の揺れ方」「語尾の処理」などを比較して調整できるようにする
メトロノームとはリズムがずれていても、それは意図的にタメを作って感情を込めていたり、発声としては間違った声の出し方だとしても、「がなり」などで激しさや怒りを表現する場合も多くあります。
観察ポイント:
•フレーズのどこで「ため」を作っているか
•息を抜いてささやくように歌う箇所は?
•サビで急に張る感じになるのか、それとも一貫して優しく歌うのか
やり方:
•ただ音をなぞるだけではなく、表現ごと再現する
•感情の込め方までコピーするつもりで
•歌詞の中の主人公になったつもりで、歌詞の意味や情景を理解し、表面的な歌い方だけでなく感情まで物真似する
逆に言うと、自分の声質や癖と正反対の歌手のモノマネをするのは非常に難しく、挫折してしまったり喉を傷めてしまうリスクもあります。
まずは今の自分に近い声質の人、つまり真似しやすそうな人から物真似の練習を始め、一人目が出来るようになったらまたその人に近い人、という風に少しずつ幅を広げていくことをお勧めします。
また、例えばAという歌手のモノマネをしたい場合、Aの歌手の曲ばかりを歌わず、Bの歌手の曲をAの歌手のモノマネで歌うという練習法も効果的です。
考え方としましては、Bの曲をAがカバーしたヴァージョンという感覚です。
このようにして、Aの歌い方を真似した状態で色々な曲を歌えるようになることで、よりAの歌い方がご自身の体に馴染んでいきます。
似ていないからと言っていちいち凹むことなく、どうやれば近づくのか?昨日よりもこの1音だけは近づいた気がする、などと少しの変化を楽しみながら練習を行いましょう。
似ていないうちは周りから笑われるかも知れませんが、それも「笑いを取っている」と思えば楽しめますし、少しずつ自分の声が変わっていく過程や、憧れの歌手の歌い方に近づいて行く日々はとても楽しいものです。
そして、1人目のモノマネが上達する頃には「この人が出来たということはあの人のモノマネも出来そう」「この声の出し方はあの人に似ているからもしかしたら出来るかも知れない」という風に、どんどん新しい発見があります。
そんな日々を夢中で繰り返しているうち、いつの間にか物真似が得意な人になって、周りの人を楽しませていることと思います。
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今回は歌のモノマネを上達させるための具体的なトレーニング方法を10選にまとめてご紹介させていただきます。
モノマネはお笑い芸人さんなどがやっているイメージですが、実は歌の上達に非常に有効です。
モノマネとは正式には声帯模写と言い、プロ歌手の発声法や癖、表現力を細かく真似することは高度な技術を必要とし、歌の飛躍的な上達に繋がります。
歌マネが上手い人は間違いなく歌が上手いわけですが、逆に言うとモノマネの上達=歌の上達ということになります。
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1.徹底的に聴き込む
まずは真似したい曲を徹底的に聞き込むことから始まります。おそらく皆様が思っているような回数ではなく、その10倍100倍と聞き込む必要があり、それもただ流して聴くのではなく、1フレーズごとに区切って細かな表現なども全て聞き取るよう意識しましょう。具体的なやり方:
•Aメロ、サビ、1フレーズずつ区切って何度もリピート再生
•歌詞を見ながらブレス(息継ぎ)の位置、ビブラートがかかっている文字と揺れている回数、フォールやしゃくりを使用しているか、エッジボイスがかかっている音はあるか、発声法はウィスパーボイスかミックスボイスかファルセットかなど、1文字単位で細かく聞き取る。
•一気にAメロBメロサビなどをまとめて物真似することはまず不可能なので、必ず1フレーズごとや1文字ごとに行う
2.声の特徴を書き出す
ただ漠然と「似せよう」とするのではなく、まずはその歌手の声の特徴を観察・分析します。自分なりの言葉でいいので紙などに書き出し、1文字ごとに注意すべき点を視覚化しておきましょう。
押さえておきたいポイント
音程とリズムが完璧でも歌が下手な人が存在します。それは何故かと言うと、音の強弱がおかしいからです。
文字ごとの強弱を10段階に分けて、その曲の中の一番強い音は10、一番弱い音は1に設定し、この文字は3、この文字は7という風に強さも記入していきましょう。
文字ごとの強さを理解できると、その強さで声を出すためにはウィスパーボイスなのか、地声のプルアップなのか、ミックスボイスなのか、ファルセットなのかを導き出しやすくなります。
3.地声・裏声・ミックスを使い分ける
歌手によっては地声が高く聞こえても実際はミックスボイスや裏声を使っている場面も多く、モノマネではどの声区を使うかが非常に重要です。前項と同様、1文字ずつどの声で発声しているかを分析し、メモしておきます。
例えばファルセット(裏声)で出している文字を無理に地声で歌ってしまっては、どうやっても似ることはありません。
まずは原曲の本人と同じ声の出し方をすることが最も重要です。
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4.声帯模写の練習をする(話し声のモノマネ)
これは意外と盲点かも知れませんが、真似したい歌い手の喋り方を真似すると、歌のモノマネにも繋がってきます。ライブのMCやインタビュー動画などをYouTubeで探し、喋り方もそっくりに出来るようマネするところから始めてみましょう。
歌だけでなく普段の喋り声にも音程があります。
その音程を完璧に真似することで、その人の普段の特徴を掴むことが出来ます。
その他にも相槌の打ち方、笑い方、間の取り方なども細かく研究しましょう。
歌のモノマネをした歌手だけでなく、例えばミッキーマウスやドラえもんなどのキャラクターの真似、もしくはテレビなどでよく見かける電車の車掌さんのモノマネや動物の鳴きマネ、パトカーのサイレンや救急車のサイレンなど、世の中に存在する音を全て自分の口や喉から出すくらいのつもりで練習をすると効果的です。
その最たるものがボイスパーカッションで、ドラムセットの中のバスドラム、スネアドラム、シンバルなどを口で表現するだけでなく、ギターやベース、トランペットや電子音までも見事に声で再現するプロも見たことがあるかと思います。
あのような技術も全て、根本的には「物真似」から始まっています。
5.音声を録音して客観的に聞く
物真似の練習にとって最も重要な練習方法は「録音して聞く」ことです。自分では「似てる」と思っていても、それは頭蓋骨を通じて骨伝導で聴いた声なので、他者が聞くと全く別物に聞こえていることが多く、その違いを知ることが物真似において最も重要です。
つまり、自分に聞こえる声は似ていなくても、他者に聞こえる声が似ているという状態を目指す必要があります。
初めて録音してみる時はきっと「こんなにも似ていないのか」とがっかりするかも知れませんが、それはものまね芸人たちも同じです。
誰もが同じスタートラインから始め、数えきれない失敗と飽きるほどの試行錯誤を繰り返して、少しずつ似ていくものです。
逆に録音をしないと、いつまでも自分の中だけで「似ているはず」というレベルから抜け出すことは出来ません。
有名な物真似芸人さん達も必ず録音をし、何度も聞き返して修正を行い、また録音するという過程を踏んでいます。
「録音すると自分の粗が分かって恥ずかしいから録音を止めてしまう」のではなく、自分の弱点を見つけるために録音をするという根本的な考え方を忘れないよう、毎日毎日録音してご自身の声を確認してください。
6.口の開け方・表情も真似る
声を真似るためには口の開け方や表情もそっくりに真似ることも重要です。押さえておきたいポイント
1.鏡で自分を見ながら、「笑顔」「真顔」「悲しい顔」の3つの表情を思いきり作ってみてください。
2.次に、それぞれの顔で思いきり「こんにちは」と言ってみましょう。笑顔の時は明るいこんにちは、真顔の時は感情のないこんにちは、悲しい顔の時は苦しそうなこんにちはという声になったはずです。
3.次に、笑顔の状態で真顔の声のこんにちは、または、悲しい顔の状態で笑顔の声のこんにちはを出そうとしてみてください。絶対に不可能であることがお分かりいただけるかと思います。
4.つまり、声の雰囲気と顔の表情は直結しているため、モノマネをする際には表情などから真似すると近道になります。
その他にも
口の開け方や表情以外にも、
・高音を出す時に上を向いているか、下を向いているか
・ウィスパーボイスの時のマイクの距離感はどれくらいか
・ファルセットを出す時に手を頭の横にあげる歌手が多いのは何故なのか
などなど、細かい仕草なども実際に真似してみると、「この動きをするとファルセットが出やすいのか」などと発見があります。
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7.波形やピッチを可視化する
この手法は初心者の方には多少難しいかも知れませんが、専用のアプリやソフトを利用して声を録音すると、音程が波形となって可視化できます。こうすることでプロの歌と自分の歌の違いを視覚的に確認することが出来ます。
おすすめツール:
•Melodyne(DAWプラグイン):音程やビブラートの形が波形で表示される
•Voicescope(スマホアプリ):リアルタイムで音の高さを可視化
•SoundAnalyzer(PC):フォルマントや倍音構造を確認できる
目的:
自分と歌手の「ビブラートの幅・速さ」「音程の揺れ方」「語尾の処理」などを比較して調整できるようにする
8.表現力を真似る
歌は技術だけでなく、「どう感情を込めているか」が似てるかどうかを左右します。メトロノームとはリズムがずれていても、それは意図的にタメを作って感情を込めていたり、発声としては間違った声の出し方だとしても、「がなり」などで激しさや怒りを表現する場合も多くあります。
観察ポイント:
•フレーズのどこで「ため」を作っているか
•息を抜いてささやくように歌う箇所は?
•サビで急に張る感じになるのか、それとも一貫して優しく歌うのか
やり方:
•ただ音をなぞるだけではなく、表現ごと再現する
•感情の込め方までコピーするつもりで
•歌詞の中の主人公になったつもりで、歌詞の意味や情景を理解し、表面的な歌い方だけでなく感情まで物真似する
9.一人の歌手にこだわらず、複数の歌手でトレーニングする
ひとりだけの真似では声の幅が狭くなだけでなく、今の自分に近い歌い方や声質の人から真似をし始めることが重要です。逆に言うと、自分の声質や癖と正反対の歌手のモノマネをするのは非常に難しく、挫折してしまったり喉を傷めてしまうリスクもあります。
まずは今の自分に近い声質の人、つまり真似しやすそうな人から物真似の練習を始め、一人目が出来るようになったらまたその人に近い人、という風に少しずつ幅を広げていくことをお勧めします。
また、例えばAという歌手のモノマネをしたい場合、Aの歌手の曲ばかりを歌わず、Bの歌手の曲をAの歌手のモノマネで歌うという練習法も効果的です。
考え方としましては、Bの曲をAがカバーしたヴァージョンという感覚です。
このようにして、Aの歌い方を真似した状態で色々な曲を歌えるようになることで、よりAの歌い方がご自身の体に馴染んでいきます。
10.楽しんで続ける
全てに関して言えることですが、やはり楽しんで続けることが最も重要です。似ていないからと言っていちいち凹むことなく、どうやれば近づくのか?昨日よりもこの1音だけは近づいた気がする、などと少しの変化を楽しみながら練習を行いましょう。
似ていないうちは周りから笑われるかも知れませんが、それも「笑いを取っている」と思えば楽しめますし、少しずつ自分の声が変わっていく過程や、憧れの歌手の歌い方に近づいて行く日々はとても楽しいものです。
そして、1人目のモノマネが上達する頃には「この人が出来たということはあの人のモノマネも出来そう」「この声の出し方はあの人に似ているからもしかしたら出来るかも知れない」という風に、どんどん新しい発見があります。
そんな日々を夢中で繰り返しているうち、いつの間にか物真似が得意な人になって、周りの人を楽しませていることと思います。
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