2025/07/04
日本音楽能力検定協会です。
今回はアコースティックギターの代表格「Martin」の歴史について詳しく解説させていただきます。
Martin(マーティン)ギターは、アコースティックギターの代名詞とも言える存在で、その歴史は180年以上にわたります。
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• 1833年、クリスチャン・フレデリック・マーティン(Christian Frederick Martin Sr.)がアメリカ・ニューヨークでギター製作を開始。
• ドイツ・ザクセン出身で、もともとウィーンの有名製作家 シュタウファー(Stauffer) のもとで修行。
• その後、ドイツ楽器職人組合の制約から自由を求めてアメリカに渡る。
ペンシルベニア移転
• 1839年、ペンシルベニア州ナザレス(Nazareth)に工房を移す。
• ここが現在もMartinの本拠地。
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• 1850年代、内部構造の「Xブレーシング(X-Bracing)」を導入。
• ナイロン弦向けだったヨーロッパ型に対し、スティール弦への対応を見据えた設計。
• これは後のスティール弦アコースティックギターの標準構造となる。
モデルナンバー制度の導入
• Martinは「D-28」など、モデル名+数字の命名規則を確立。
• 「D」はドレッドノート(大型ボディ)を意味。
• 数字は装飾や仕様レベル(高いほど上位モデル)を表す。
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• 1920年代後半からスティール弦が標準に。
• それに対応する形で、Xブレーシングが大きな意味を持つ。
Dreadnought(ドレッドノート)シリーズの登場
• 1931年、「D-1」が登場。後の「D-18」「D-28」へとつながる。
• 「ドレッドノート」は元々ボストンの楽器店Ditsonとの共同開発で誕生。
• 名前はイギリス海軍の戦艦「ドレッドノート」級に由来。
• 大型で音量豊か、特にフォークやブルーグラスに理想的。
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• ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ピーター・ポール&マリーなどが使用。
• D-28、D-18、000-18 などが特に人気。
• この時代のMartinは今でも「黄金期」として特別視される。
• 1970年代、需要増加に対応するため大量生産化が進む。
• 一部では「70年代は品質が落ちた」と言われるが、個体差がある。
シグネチャーモデルやカスタムショップ
• エリック・クラプトン、ジョニー・キャッシュ、ウィリー・ネルソンなどのシグネチャーモデルが登場。
• 高級カスタム路線も展開。
• 木材資源の制限により、リッチライト指板や合板を用いたモデルも。
• FSC認証材など環境への配慮を進めている。
ヴィンテージ・リイシューとハイエンド化
• 「Authentic Series」や「Golden Era」など、黄金期のリイシューモデルが登場。
• 高価格帯でも音質重視で人気。
手ごろなモデルも展開
• 「Road Series」「X Series」「Junior Series」など、初心者〜中級者向けラインも充実。
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D-18 マホガニー側板・バック。明るく素直な音。
000-18 小ぶりなボディ。フィンガーピッキング向き。
OM(Orchestra Model) 長めのスケールで張りのある音。
D-28、00-21
1960年代のフォークムーブメントの象徴。
ジョーン・バエズ
0-45、000-45
繊細なアルペジオにマッチする小型モデル。
ポール・サイモン(サイモン&ガーファンクル)
OM-42、000-28
スタジオでもライブでも使用。
ジョニー・キャッシュ
D-35(シグネチャーモデルあり)
渋く力強い音色に最適。
ウディ・ガスリー
D-18
「This Machine Kills Fascists」のステッカーで有名。
000-28EC(シグネチャー)、000-42
「MTVアンプラグド」で大きな注目を浴びた。
ニール・ヤング
D-45
フォークロックを代表する名演の多くで使用。
カート・コバーン(Nirvana)
D-18E(改造モデル)
『MTV Unplugged』の象徴的な演奏で使用。
ジョン・メイヤー
OMJM(John Mayerモデル)
Martinと長期コラボしている代表的現代アーティスト。
エド・シーラン
LX1(Little Martin)
小型ボディでライブや録音にも多用。コラボモデルも多数。
D-28(1935年製)
ブルーグラス界の伝説。マーティンと同名のシグネチャーモデルあり。
ウィリー・ネルソン
N-20(クラシック型)
「Trigger(トリガー)」と名付けた名器。穴が開いていることで有名。
ハンク・ウィリアムズ
D-28
カントリーの祖。
ヴィンス・ギル
D-45、OMモデルなど
楽曲によって様々なMartinを使い分ける。
Custom Martin
フィンガースタイルの先駆者、特殊チューニングと奏法で有名。
トミー・エマニュエル
OMCモデルなど
ソロギターの名手として使用。
アンディ・マッキー
Custom Martin、OMモデル
スラップ・ハーモニクスなどでYouTubeで人気に。
D-45
透明感ある歌声と相性の良い繊細な音。
山崎まさよし
D-28、000シリーズ
弾き語りに最適な音の張り。
福山雅治
Custom Martin
ステージやPVでもよく見られる。
吉田拓郎
D-28、D-45
フォーク黎明期の旗手。
• ジョン・メイヤー(OMJM、OM-28JM)
• エド・シーラン(LX Ed Sheeranシリーズ)
• トニー・ライス(D-28 Tony Rice)
• ジョニー・キャッシュ(D-35 Johnny Cash)
• デヴィッド・グリスマン(Custom DAWGモデル)
ソロ活動中に000-28などを使用。繊細な表現力が魅力。
エルヴィス・プレスリー
D-28などを所有。ロックの黎明期にもMartinは存在感を放っていた。
ジミー・ペイジ(Led Zeppelin)
スタジオ録音ではMartin D-28を使ったトラック多数。例:「Stairway to Heaven」。
デヴィッド・ギルモア(Pink Floyd)
ソロ曲や「Wish You Were Here」などでD-35を使用。
エルヴィス・コステロ
パーラーサイズのMartinを愛用し、ソロの弾き語りなどで使用。
ニック・ドレイク
短命だったが、000サイズのMartinを使って詩的な音世界を構築。
一部アコースティックライブで小型のMartin(LXなど)を使用。
カニエ・ウェスト
アコースティック要素のあるライブ演出でMartinを取り入れたことがある。
ジャスティン・ビーバー
エド・シーランと同様、Little Martinを使う映像が確認されている。
N-20 “Trigger” はクラシックボディにスティール弦を張ったユニークなモデル。
ジョン・ウィリアムズ(クラシックギタリスト)
Martinのクラシックモデルを使用したことがある(録音限定)。
フラメンコ奏者の一部
ごく一部のフラメンコプレイヤーがMartinのナイロンモデルを愛用。
代表的なユーザーで、自身の名を冠したコラボモデルを多数リリース。
テイラー・スウィフト
ツアー中のホテルなどで練習用として使用。LX1など。
ショーン・メンデス
若手シンガーソングライターの中でもLXモデルを使用。
D-18Eをピックアップ付きで改造。今では伝説のギター。
ウィリー・ネルソン
“Trigger” に大きな穴が空き、サインも多数。状態は悪いが現役使用中。
ジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)
ヴィンテージMartinを独自に改造して使用。
• 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』:60年代フォークシーンを描き、Martinが多く登場。
• 『ミュージック・オブ・ハート』:教師役のメリル・ストリープがMartinを使うシーンあり。
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• 伝統・ルーツへの敬意
• プロフェッショナルとしての信頼感
• 録音における音の完成度の高さ
• 舞台映えするビジュアルの美しさ(特にD-45など)
今回はアコースティックギターの代表格「Martin」の歴史について詳しく解説させていただきます。
Martin(マーティン)ギターは、アコースティックギターの代名詞とも言える存在で、その歴史は180年以上にわたります。
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1.創業期(1833年〜1850年代)
創業者:C.F. Martin Sr.• 1833年、クリスチャン・フレデリック・マーティン(Christian Frederick Martin Sr.)がアメリカ・ニューヨークでギター製作を開始。
• ドイツ・ザクセン出身で、もともとウィーンの有名製作家 シュタウファー(Stauffer) のもとで修行。
• その後、ドイツ楽器職人組合の制約から自由を求めてアメリカに渡る。
ペンシルベニア移転
• 1839年、ペンシルベニア州ナザレス(Nazareth)に工房を移す。
• ここが現在もMartinの本拠地。
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2.進化と確立(1850年代〜1920年代)
Xブレーシングの発明• 1850年代、内部構造の「Xブレーシング(X-Bracing)」を導入。
• ナイロン弦向けだったヨーロッパ型に対し、スティール弦への対応を見据えた設計。
• これは後のスティール弦アコースティックギターの標準構造となる。
モデルナンバー制度の導入
• Martinは「D-28」など、モデル名+数字の命名規則を確立。
• 「D」はドレッドノート(大型ボディ)を意味。
• 数字は装飾や仕様レベル(高いほど上位モデル)を表す。
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3.スティール弦とドレッドノート(1920年代〜1940年代)
スティール弦の本格採用• 1920年代後半からスティール弦が標準に。
• それに対応する形で、Xブレーシングが大きな意味を持つ。
Dreadnought(ドレッドノート)シリーズの登場
• 1931年、「D-1」が登場。後の「D-18」「D-28」へとつながる。
• 「ドレッドノート」は元々ボストンの楽器店Ditsonとの共同開発で誕生。
• 名前はイギリス海軍の戦艦「ドレッドノート」級に由来。
• 大型で音量豊か、特にフォークやブルーグラスに理想的。
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4.黄金期(1940〜1960年代)
フォークブームとMartinの台頭• ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ピーター・ポール&マリーなどが使用。
• D-28、D-18、000-18 などが特に人気。
• この時代のMartinは今でも「黄金期」として特別視される。
5.工業化と多様化(1970年代〜1990年代)
生産性と品質のバランス• 1970年代、需要増加に対応するため大量生産化が進む。
• 一部では「70年代は品質が落ちた」と言われるが、個体差がある。
シグネチャーモデルやカスタムショップ
• エリック・クラプトン、ジョニー・キャッシュ、ウィリー・ネルソンなどのシグネチャーモデルが登場。
• 高級カスタム路線も展開。
6.現代(2000年〜現在)
新素材・サステナビリティへの配慮• 木材資源の制限により、リッチライト指板や合板を用いたモデルも。
• FSC認証材など環境への配慮を進めている。
ヴィンテージ・リイシューとハイエンド化
• 「Authentic Series」や「Golden Era」など、黄金期のリイシューモデルが登場。
• 高価格帯でも音質重視で人気。
手ごろなモデルも展開
• 「Road Series」「X Series」「Junior Series」など、初心者〜中級者向けラインも充実。
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代表的モデルの特徴
D-28 ローズウッド側板・バック。深みと広がりある音。D-18 マホガニー側板・バック。明るく素直な音。
000-18 小ぶりなボディ。フィンガーピッキング向き。
OM(Orchestra Model) 長めのスケールで張りのある音。
フォーク・アメリカーナ系の代表的使用者
ボブ・ディランD-28、00-21
1960年代のフォークムーブメントの象徴。
ジョーン・バエズ
0-45、000-45
繊細なアルペジオにマッチする小型モデル。
ポール・サイモン(サイモン&ガーファンクル)
OM-42、000-28
スタジオでもライブでも使用。
ジョニー・キャッシュ
D-35(シグネチャーモデルあり)
渋く力強い音色に最適。
ウディ・ガスリー
D-18
「This Machine Kills Fascists」のステッカーで有名。
ロック・ポップス界の使用者
エリック・クラプトン000-28EC(シグネチャー)、000-42
「MTVアンプラグド」で大きな注目を浴びた。
ニール・ヤング
D-45
フォークロックを代表する名演の多くで使用。
カート・コバーン(Nirvana)
D-18E(改造モデル)
『MTV Unplugged』の象徴的な演奏で使用。
ジョン・メイヤー
OMJM(John Mayerモデル)
Martinと長期コラボしている代表的現代アーティスト。
エド・シーラン
LX1(Little Martin)
小型ボディでライブや録音にも多用。コラボモデルも多数。
カントリー・ブルーグラス系の使用者
トニー・ライスD-28(1935年製)
ブルーグラス界の伝説。マーティンと同名のシグネチャーモデルあり。
ウィリー・ネルソン
N-20(クラシック型)
「Trigger(トリガー)」と名付けた名器。穴が開いていることで有名。
ハンク・ウィリアムズ
D-28
カントリーの祖。
ヴィンス・ギル
D-45、OMモデルなど
楽曲によって様々なMartinを使い分ける。
クラシック/フィンガースタイル系
マイケル・ヘッジスCustom Martin
フィンガースタイルの先駆者、特殊チューニングと奏法で有名。
トミー・エマニュエル
OMCモデルなど
ソロギターの名手として使用。
アンディ・マッキー
Custom Martin、OMモデル
スラップ・ハーモニクスなどでYouTubeで人気に。
日本の使用者(参考)
小田和正D-45
透明感ある歌声と相性の良い繊細な音。
山崎まさよし
D-28、000シリーズ
弾き語りに最適な音の張り。
福山雅治
Custom Martin
ステージやPVでもよく見られる。
吉田拓郎
D-28、D-45
フォーク黎明期の旗手。
シグネチャーモデルが存在する主なアーティスト
• エリック・クラプトン(000-28EC)• ジョン・メイヤー(OMJM、OM-28JM)
• エド・シーラン(LX Ed Sheeranシリーズ)
• トニー・ライス(D-28 Tony Rice)
• ジョニー・キャッシュ(D-35 Johnny Cash)
• デヴィッド・グリスマン(Custom DAWGモデル)
その他の著名な使用者(ジャンル横断)
スティング(The Police)ソロ活動中に000-28などを使用。繊細な表現力が魅力。
エルヴィス・プレスリー
D-28などを所有。ロックの黎明期にもMartinは存在感を放っていた。
ジミー・ペイジ(Led Zeppelin)
スタジオ録音ではMartin D-28を使ったトラック多数。例:「Stairway to Heaven」。
デヴィッド・ギルモア(Pink Floyd)
ソロ曲や「Wish You Were Here」などでD-35を使用。
エルヴィス・コステロ
パーラーサイズのMartinを愛用し、ソロの弾き語りなどで使用。
ニック・ドレイク
短命だったが、000サイズのMartinを使って詩的な音世界を構築。
意外なMartinユーザー
レディー・ガガ一部アコースティックライブで小型のMartin(LXなど)を使用。
カニエ・ウェスト
アコースティック要素のあるライブ演出でMartinを取り入れたことがある。
ジャスティン・ビーバー
エド・シーランと同様、Little Martinを使う映像が確認されている。
Martinのクラシック/ナイロン弦モデルを使用する人
ウィリー・ネルソンN-20 “Trigger” はクラシックボディにスティール弦を張ったユニークなモデル。
ジョン・ウィリアムズ(クラシックギタリスト)
Martinのクラシックモデルを使用したことがある(録音限定)。
フラメンコ奏者の一部
ごく一部のフラメンコプレイヤーがMartinのナイロンモデルを愛用。
Little Martin(LXシリーズ)の人気者たち
エド・シーラン代表的なユーザーで、自身の名を冠したコラボモデルを多数リリース。
テイラー・スウィフト
ツアー中のホテルなどで練習用として使用。LX1など。
ショーン・メンデス
若手シンガーソングライターの中でもLXモデルを使用。
変わり種:Martinを改造・装飾して使うアーティスト
カート・コバーンD-18Eをピックアップ付きで改造。今では伝説のギター。
ウィリー・ネルソン
“Trigger” に大きな穴が空き、サインも多数。状態は悪いが現役使用中。
ジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)
ヴィンテージMartinを独自に改造して使用。
映画やドラマでの使用例
• 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』:マーティが演奏するシーンのギターはMartin風(実際はGibson ES-345の改造)。• 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』:60年代フォークシーンを描き、Martinが多く登場。
• 『ミュージック・オブ・ハート』:教師役のメリル・ストリープがMartinを使うシーンあり。
ギター検定受検はこちらから
Martinのギターを使うことで得られるステータス
Martinを使うことは単なる音の選択だけでなく、次のような意味合いを持つこともあります:• 伝統・ルーツへの敬意
• プロフェッショナルとしての信頼感
• 録音における音の完成度の高さ
• 舞台映えするビジュアルの美しさ(特にD-45など)