2025/12/25
音楽理論の苦手を克服する3つの勉強法
―「わからない」を「使える知識」に変えるために―
「音楽理論がどうしても苦手」
「楽譜は読めるのに、理論になると頭が止まる」
「覚えてもすぐ忘れてしまう」
これは、音楽を学ぶ多くの人が一度は感じる悩みです。実は、音楽理論が苦手な人の多くは能力が足りないのではなく、勉強の仕方が合っていないだけです。
音楽理論は、数学や暗記科目のように感じられがちですが、本来は「音を理解するための道具」。正しい方法で学べば、必ず理解できるようになります。
この記事では、音楽理論が苦手な人が無理なく克服できる3つの勉強法を、具体例を交えて解説します。
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勉強法①「耳→楽譜→言葉」の順で理解する
音楽理論を“文字”から始めていませんか?
音楽理論が苦手な人の多くは、
-
用語の定義
-
数字や規則
-
記号の説明
といった「文字情報」から勉強を始めてしまいます。
しかし、音楽は本来音で感じるもの。
耳で実感できていない理論は、どれだけ読んでも理解が深まりません。
正しい順番は「耳→楽譜→言葉」
おすすめなのは、次の順番です。
-
実際の音を聴く・鳴らす(耳)
-
楽譜で確認する(視覚)
-
言葉・用語で整理する(理論)
たとえば「長調と短調」を学ぶ場合、
-
まず明るい曲・暗い曲を聴き比べる
-
それを楽譜で見て、音の並びを確認する
-
最後に「長調」「短調」という言葉を当てはめる
この順序で学ぶだけで、理解度は大きく変わります。
理論は「後づけ」でいい
音楽理論は、「理解してから音楽をやる」ものではありません。
音楽を体験したあとに、整理するためのものです。
「先にわからなくてもいい」
「あとから意味がつながればいい」
この意識を持つだけで、理論への苦手意識はかなり軽くなります。
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勉強法②「1つの理論を3つの角度で確認する」
覚えても忘れてしまう理由
「勉強したはずなのに、テストになると出てこない」
これは、理解が1方向だけだから起こります。
音楽理論は、
-
見る
-
聴く
-
使う
この3つをセットで学ばないと、記憶に定着しません。
3つの角度とは?
1つの理論につき、次の3つを必ず行いましょう。
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見る(楽譜・図)
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聴く(音源・実演)
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使う(書く・弾く・説明する)
たとえば「音程」を学ぶ場合、
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楽譜で2音の距離を見る
-
実際に音を鳴らして響きを聴く
-
「これは長3度」「これは完全5度」と声に出して説明する
ここまでやると、理解は一気に深まります。
「説明できるか」が理解の基準
おすすめなのが、
誰かに説明するつもりで学ぶことです。
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自分の言葉で言えるか
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図を描いて説明できるか
-
例を出せるか
これができれば、その理論は「使える知識」になっています。
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勉強法③「完璧を目指さず、点で理解する」
音楽理論は“積み木”ではない
多くの人が、
「基礎から完璧にやらないと次に進めない」
と思いがちです。
しかし音楽理論は、
すべてが一直線につながるものではありません。
最初は理解できない部分があっても問題ありません。
点で理解して、あとから線につなぐ
おすすめなのは、
-
今わかるところだけ理解する
-
よく使う理論から覚える
-
何度も行き来する
という学び方です。
たとえば、
-
和音はわかるけど、調判定は曖昧
-
リズムは得意だけど、音程は苦手
それで大丈夫です。
後から学び直したときに、「あ、そういうことか」とつながります。
苦手な人ほど「繰り返し」が必要
音楽理論は、
一度で理解しようとしないことが最大のコツです。
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3回目でわかる
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半年後に急に理解できる
-
実演して初めて腑に落ちる
こうしたことは、ごく普通に起こります。
「前より少しわかるようになっているか」
それだけを基準にしましょう。
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まとめ|音楽理論は「才能」ではなく「方法」
音楽理論が苦手な人の多くは、
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勉強の順番が逆
-
理解の確認方法が少ない
-
完璧を求めすぎている
この3点に当てはまります。
今回紹介したポイントを、もう一度整理します。
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耳から入って、あとから言葉で理解する
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見る・聴く・使うの3方向で学ぶ
-
点で理解し、何度も行き来する
この方法で学べば、音楽理論は必ず「わかるもの」に変わります。
音楽理論は、音楽を縛るルールではなく、
音楽を自由に理解し、楽しむための地図です。
焦らず、自分のペースで、少しずつ積み重ねていきましょう。
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