【理論派?感覚派?】作曲はどちらでやるべきか?~作曲初心者が最低限覚えるべき理論5選~/日本音楽能力検定協会

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日本音楽能力検定協会です。
今回は「作曲は理論でやるべきか、それとも感覚でやるべきか?」について詳しくご説明させていただきます。
これは、作曲を学び始めた人からプロを目指す人まで、ほぼ全員が一度は悩むテーマです。
SNSやYouTubeを見ても、「理論は不要」「いや、理論がないと再現性がない」など、真逆の意見が並び、余計に混乱してしまうこともあるでしょう。

結論から言えば、作曲は「理論か感覚か」という二択ではありません。両方が必要であり、役割が違うのです。
本記事では、それぞれのメリット・デメリットを整理しながら、最終的にどのように両立させるべきかを解説していきます。

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感覚で作曲するとはどういうことか

感覚で作曲するとは、頭で考えすぎず、浮かんだメロディをそのまま形にし、「気持ちいい」「切ない」「かっこいい」といった主観を頼りに音を選ぶという作り方です。

この方法の最大のメリットは、初期衝動の強さです。
感情から直接生まれたメロディやリズムは、理屈を超えた説得力を持つことがあります。実際、多くの名曲は「理論的に作ろうとして生まれた」のではなく、「ふと浮かんだフレーズ」から始まっています。

また、感覚作曲は初心者でも始めやすく、「作る楽しさ」を感じやすいのも大きな利点です。
理論を学ぶ前に挫折してしまう人が多い中、感覚で音を触ることで「自分にも作れる」という成功体験を得ることができます。

しかし、感覚だけに頼る作曲には明確な限界もあります。

感覚だけの作曲が抱える壁

感覚作曲を続けていると、次のような壁にぶつかりやすくなります。

・毎回似たような曲になる
・コード進行がワンパターン
・他人に説明できない
・修正やアレンジができない

これは、「なぜ良いのか」「なぜうまくいかないのか」を言語化できないためです。
感覚は非常に優秀ですが、再現性が低いという弱点があります。

たとえば、「今回はたまたま良い曲ができたけど、次は全く浮かばない」という状態は、感覚作曲あるあるです。
プロの現場では「たまたま」は通用しません。期限があり、修正依頼があり、別バージョンも求められます。そのとき、感覚だけでは対応できなくなるのです。

ここで必要になるのが「理論」です。

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理論で作曲するとはどういうことか

理論で作曲するとは、
・音階
・コード
・機能和声
・スケール
・コード進行の型
などを理解した上で、「狙って音を選ぶ」作曲方法です。

理論の最大のメリットは、再現性と説明力です。
「この場面ではこのコードが合う」「このメロディはこのスケール内だから自然に聴こえる」といった判断ができるようになります。

また、理論は問題解決の道具でもあります。
「なんとなく違和感がある」という感覚を、「ここはノンダイアトニックが急すぎる」「機能が曖昧」と分析し、修正できるようになります。

一方で、理論にも誤解されやすい欠点があります。

理論作曲の落とし穴

理論を学び始めた人が陥りやすいのが、
「正しい音しか使えなくなる」
「間違えないことが目的になる」
という状態です。

理論は本来、音楽を縛るルールではありません。しかし学び方を間違えると、作曲が「計算問題」になってしまいます。
結果として、整ってはいるが感情が動かない曲になりやすいのです。

ここで重要なのは、理論は音楽の説明書であって、音楽そのものではないという認識です。

理論と感覚の正しい関係

多くのプロ作曲家は、次のような流れで作曲しています。

  1. まず感覚でアイデアを出す

  2. 理論で整理・補強する

  3. もう一度感覚で聴き直す

つまり、感覚が主役で、理論は補助輪です。

感覚だけでは不安定、理論だけでは無機質。
この二つを往復することで、初めて「伝わる音楽」になります。

理論を学ぶ最大の目的は、
「感覚を否定すること」ではなく
「感覚を再現・拡張すること」
なのです。

初心者はどちらから始めるべきか

初心者におすすめなのは、感覚7:理論3くらいのバランスです。

最初から理論を完璧に理解しようとすると、ほぼ確実に挫折します。
それよりも、
・簡単なコード進行
・よく使われるスケール
・基本的な構造
だけを押さえ、あとは感覚で作るほうが続きます。

作った曲を後から理論で分析する、という順番が理想的です。

作曲は「感覚を理論で支える」もの

「作曲は理論か感覚か」という問いに対する答えは、
感覚を中心に、理論で支えるです。

感覚は創造の源、理論は安定と再現のための道具と考えると理解しやすいかも知れません。

どちらか一方を選ぶ必要はありません。
むしろ、両方を使えるようになったとき、作曲は一気に自由になります。

もし今、「感覚だけで限界を感じている」「理論を学んだのに曲が楽しくない」と感じているなら、それは成長のサインです。
感覚と理論、その間を行き来しながら、自分だけの音楽を作っていきましょう。

初心者が作曲を始めるとき、理論を「全部」覚える必要はありません。
むしろ、最低限だけ押さえて、すぐ作曲に使うことが大切です。

ここでは
「これだけ知っていれば曲は作れる」理論5つ
挫折しない覚え方をセットで解説します。

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作曲初心者が最低限覚えるべき理論5選

①メジャースケール

まずはメジャースケール(長音階)です。
例:Cメジャースケール
ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド

これは「その曲で基本的に使っていい音の集合」です。

なぜ必要?

・音外れしにくくなる
・メロディが自然につながる
・「何を弾いていいかわからない」状態を防げる

作曲の迷子防止マップのような存在です。

覚え方

  • 最初は CメジャーだけでOK

  • 白鍵だけを使って即興でメロディを作る

  • 「外れにくい感覚」を体で覚える

② ダイアトニックコード(キー内コード)

何を覚える?

キーに対して自然に使えるコード群です。
Cメジャーキーの場合:

C / Dm / Em / F / G / Am / Bm7(-5)

なぜ必要?

・コード選びで迷わなくなる
・初心者でも「それっぽい曲」になる
・メロディとコードが合いやすい

覚え方

  • 数字で覚える
    Ⅰ Ⅱm Ⅲm Ⅳ Ⅴ Ⅵm Ⅶdim

  • 実際に
    C→Am→F→G
    など王道進行を弾く

  • 「全部使わなくていい」と割り切る


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③ コード進行の型(王道パターン)

何を覚える?

よく使われる定番進行です。

例:

  • Ⅰ→Ⅴ→Ⅵm→Ⅳ

  • Ⅵm→Ⅳ→Ⅰ→Ⅴ

  • Ⅰ→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ

なぜ必要?

・ゼロから考えなくていい
・「なぜか良く聴こえる」を再現できる
・プロの曲と同じ土俵に立てる

覚え方

  • 好きな曲を3曲選ぶ

  • コードを調べて共通点を見る

  • 数字(Ⅰ、Ⅴなど)で理解する

オリジナリティは「型を覚えた後」に自然に出てくるものです。
まずは好きな曲のコード進行を使いまわしても良いので、とにかくたくさん作ってみましょう。

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④ メロディはコードトーン中心で作る

何を覚える?

コードを構成している音(コードトーン)をメロディの軸にする、という考え方。

例:Cコード
→ ド・ミ・ソ

なぜ必要?

・メロディとコードがケンカしない
・初心者でも安定したメロディになる
・「なんか変」を回避できる

覚え方

  • コードが鳴っている間は
    そのコードの音を重点的に使う

  • たまに他の音を入れて動きを出す

  • 「着地はコードトーン」を意識

👉 完璧に守らなくてOK
外すために知るのが目的

⑤ 曲の基本構造(Aメロ・Bメロ・サビ)

何を覚える?

日本のポップスで最も多い構造:

Aメロ → Bメロ → サビ

なぜ必要?

・曲が「曲として」成立する
・展開が単調にならない
・聴き手が理解しやすい

覚え方

  • 既存曲を聴きながら
    「今どこ?」と意識する

  • サビは
    ・音域を上げる
    ・リズムを太くする
    ・コードを明るくする

  • 最初は短くてOK(1コーラス)

👉 フル尺を目指さなくていい

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初心者におすすめの覚え方まとめ

❌ やってはいけない

  • 理論書を最初から最後まで読む

  • 用語だけ暗記する

  • 理解してから作ろうとする

⭕ 正解ルート

  1. 作る(下手でOK)

  2. 今回使った理論を1つだけ確認

  3. 次の曲でまた使う

理論は作曲の後追いで覚えると定着します。


まとめ:理論は「最低限」でいいのでまずは100曲作ってみよう

初心者が覚えるべき理論は、この5つで十分です。

  1. メジャースケール

  2. ダイアトニックコード

  3. 定番コード進行

  4. コードトーン中心のメロディ

  5. 曲の基本構造

大事なのは、
覚えることではなく、使うこと

理論は作曲を縛るものではなく、
「感覚を助ける地図」です。

まずは1曲作ってみて、「次はこんな曲を作ってみよう」「次は〇〇っぽい曲にしてみよう」と遊んでいるうちに、色々なコツが分かってきます。
最初から良い曲など出来るわけがないと考え、まずはたくさん曲を作ってみます。
例えば10曲作ってみる頃には、最初に作った1曲目は初心者っぽく感じることでしょう。
50曲作る頃にはあなたなりの個性や得意パターンも出てきます。
100曲作る頃には作曲になれ、難しい理論や斬新なパターンなども見えてくるでしょう。
例えば5曲のオリジナル曲を披露するライブに出演するために、5曲作れば良いというわけではありません。
何十曲も作った中から最高の5曲を選ぶ方が良いに決まっています。
世界的にも活躍する日本のあるバンドは、デビュー前に既に800曲のレパートリーがあったと言います。
また別のバンドの作曲担当者は、何があってもどんなに忙しくても、逆に全く何もなかった日だとしても、必ず1日1曲作るということを日課にしていたそうです。
これらを参考に、まずは100曲作ってみるというラインを目標にがんばってみてください。


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