2025/06/21
日本音楽能力検定協会です。
今回はピアノ初学者がやらない方がいい練習法について詳しく解説させていただきます。
10選にまとめて、各項に理由や改善法なども補足しておりますのでご参照くださいませ。
ピアノ検定受検はこちらから
しかしそれはRPG(ロールプレイングゲーム)で言うと、レベル1のパーティーでラスボスに挑むようなものです。
そのままで挑み続けても負け続けるという結果は変わらないため、根本的なレベルを上げることが必要です。
ダメな理由:
•ミスタッチが増え、それを正しい音として脳が覚えてしまい、ミスの定着してしまう。
•速いスピードに追い付こうと無理に力んでしまい、それを努力だと勘違いしてしまう。
•そのまま練習を続けてしまうと上手くならないだけでなく、腱鞘炎などの怪我にも繋がる危険性がある。
•実際には弾けていない、または聞き苦しい演奏でも、自分としては「手を痛めながらたくさん練習したから上手いはずだ」という自己満足的な演奏になってしまう。
対処法:
•間違いなく弾けるスピードまで落として、1音1音を大切に練習する。
•ミスを繰り返すのは練習ではなくただの無駄な時間。成功を繰り返すのが練習。
•リズムや音の粒が揃うことを最優先。
しかしそれは基礎力の土台のない初心者では不可能です。
そもそも、誰でもすぐに出来そうと感じるような曲には憧れないのではないでしょうか?
目にも止まらぬスピードで鍵盤を叩く圧倒的な技術や、聞いているだけで涙が出たり体が動き出してしまうプロの表現力に憧れてピアノを始めたくなったはずです。
それはつまり、誰でもすぐ出来るものではないという証拠です。
ダメな理由:
•基礎力が育たないため、いつまで経っても今のレベルで無理な曲に挑戦するという段階を抜けない。
•無意識のうちに無理な弾き方が癖になってしまい、上達の妨げとなる。
対処法:
•曲の練習は基礎力がついてから。
•どうしても曲を弾きたい場合は簡単な童謡やバイエル初級程度から始めると良い。
ピアノ検定受検はこちらから
音楽の歴史、ピアノの歴史にも深く関わりますが、楽譜に記された指番号というものは、過去の偉大な音楽家やピアニストたちが研究に研究を重ねた結果です。
初心者が独学で「こっちの方が弾きやすいから」という理由で破ってよいものではなく、結果としてその方が弾きやすいというこはまずあり得ないのです。
ダメな理由:
•手の動きが無理な運びになり、ミスや疲れの原因になる。
•薬指や小指などの弱い指の指定があると人差し指や中指など使いやすい指に逃げてしまい、結果として弱い指が鍛えられない。
•指定と違う指で弾いて無理に指を開いてしまうことで、力んでしまったり怪我の原因となる。
•簡単な曲では強引な指使いでなんとかなったとしても、難しい曲や速い曲では必ず壁にぶつかり、限界がくる。
対処法:
•指番号は理由があって書かれているので、基本的に守る。
•指使いが納得できない場合は、先生や経験者に相談する。
•基本的には楽譜や教材に書かれている指番号を守って問題ないが、手の大きさや指の長さ、五指の開き具合によりどうしても無理な場合のみ自分のやりやすいように変更する。
それ自体は楽しくて良いのですが、それは今までの練習の結果であり、曲を繰り返し最初から最後まで弾いているだけでは次の成長には繋がりません。
ダメな理由:
•ミスをしやすい個所、力んでしまう箇所、リズムがずれてしまう箇所などを飛ばして通してしまい、弾ける気になってしまう。
•1曲を通して弾ける楽しさに酔ってしまい、苦手部分の克服から遠ざかってしまう。
•労力に対する上達効率がとても悪い。
対処法:
•難しい小節を1小節単位、あるいは1フレーズ単位で徹底的に練習。
•弾けないところだけを反復5〜10回練習し、通し練習は仕上げ段階で。
ピアノ検定受検はこちらから
そのため、昔から受け継がれる片手ずつの練習には非常に大きな意味と歴史があります。
しかし、片手ずつの練習はあまり面白いものではなく、どちらかと言うと地味なので、ついつい飛ばして両手での練習に移ってしまいがちです。
ダメな理由:
•両手の動きに頭が追いつかず、どちらも中途半端になって混乱してしまう。
•結果的にどっちの手も間違っている状態になりがち。
•かと言って右手のどの音と左手のどの音が同時になるのかという理解も重要なので、片手練習をしっかり行った後に両手練習に移るのが理想的。
対処法:
•片手ずつ完全に覚えてから両手に進む。
•片手練習で鍵盤を見ないでも弾けるぐらいになるのが理想。
プロが簡単そうに弾いているように見えてもしっかりとした打鍵力で大きな音が出せるのは、脱力状態でもしっかりとコツやタイミングがつかめているからです。
最初からプロのような音を出したい気持ちは分かりますが、力んだ結果大きな音にしてみても意味はありません。
ダメな理由:
•手首や腕に余計な力が入り、音が汚く、故障(腱鞘炎)のリスクもある。
•特に速いパッセージでつまずく原因となる。
•力み状態が癖づいてしまうと今後の上達を止めてしまう。
対処法:
•脱力の基本は手の重みで沈めるように弾く感覚。
•手首・肩の力を抜き、自然な重力の動きを利用する。
ピアノ検定受検はこちらから
目的のない練習はただの反復運動に過ぎず、多くの時間を繰り返すことで練習している気になってしまいますが、実は上達していない場合が多いのです。
ダメな理由:
•何を達成すればよいかが分からず、惰性で練習することに。
•今日も〇時間練習した!という自己満足に陥ってしまう。
対処法:
•1回の練習で「このフレーズを止まらずに通す」「左手を暗譜する」などの小目標を。
•練習記録をつけるのも効果的。
しかしそれは出来ることを繰り返しているだけで、実は上達をしていないのです。
成長や上達とは、できないことを見つけて克服するということです。
できることだけを繰り返すことは実は成長や上達とは逆の意味となってしまいます。
ダメな理由:
•新しい課題に触れないため、技術や読譜の幅が広がらない。
•ある種のコンフォートゾーンにとどまり成長が止まる。
•出来ることが楽しくなってしまい、出来ないことに目を向けなくなる。
対処法:
•同時に2〜3曲を並行して練習し、異なる技術に触れる。
•同じような曲ではなくジャンルや奏法が異なる曲を選ぶ。
•できないことを克服する楽しさを理解する。
ピアノ検定受検はこちらから
しかし、だからと言って最初から無理にメトロノームを使用すると、逆に上達を妨げてしまう場合があります。
ダメな理由:
•まだフレーズに慣れていない状態でメトロノームを使用すると、スピードについていくことに必死になり、無駄な力みが生まれたりミスが生じやすくなり、逆に練習にならない。
•「練習にはメトロノームを使わなければ!」という強迫観念に囚われてしまい、意味を理解せず使用して上記のような結果になってしまう。
対処法:
•練習したいフレーズに慣れて、メトロノームを聴く余裕が生まれてから使用する。
•メトロノームを使用する意味をしっかりと理解し、意味のある使い方をする。
他の楽器の経験がある人やスポーツ歴が長い人などは、基礎を固めることの重要性や上級者に習うことの必要性を理解していますが、特に幼児や小学生の場合はその経験がまだないため、無理に独学で学ぼうとし、その結果間違った練習法をずっと続けてしまったり、悪い癖がついて抜けなくなったり、そもそも悪い癖がついていることや上達していないことにすら気付けないという状態になる危険性があります。
ダメな理由:
•動画などで学ぶのは実は独学の範疇。
•確かに動画通りに練習をしているかも知れないが、動画側からのフィードバックはないため一方通行になってしまい、力み過ぎや指使いの間違いなどを指摘してもらえず、自分の間違いに気付けない。
対処法:
•月1回でもいいので、現在の状態を見てくれるレッスン講師に必ず習う。
•現代はオンラインレッスンもあるので、自宅に居ながら手軽にレッスンを受けることも可能。
ピアノ検定受検はこちらから
今回はピアノ初学者がやらない方がいい練習法について詳しく解説させていただきます。
10選にまとめて、各項に理由や改善法なども補足しておりますのでご参照くださいませ。
ピアノ検定受検はこちらから
1.いきなり速く弾こうとする
速いフレーズは誰もが憧れるので、すぐに挑戦してみたくなる気持ちは非常によく分かります。しかしそれはRPG(ロールプレイングゲーム)で言うと、レベル1のパーティーでラスボスに挑むようなものです。
そのままで挑み続けても負け続けるという結果は変わらないため、根本的なレベルを上げることが必要です。
ダメな理由:
•ミスタッチが増え、それを正しい音として脳が覚えてしまい、ミスの定着してしまう。
•速いスピードに追い付こうと無理に力んでしまい、それを努力だと勘違いしてしまう。
•そのまま練習を続けてしまうと上手くならないだけでなく、腱鞘炎などの怪我にも繋がる危険性がある。
•実際には弾けていない、または聞き苦しい演奏でも、自分としては「手を痛めながらたくさん練習したから上手いはずだ」という自己満足的な演奏になってしまう。
対処法:
•間違いなく弾けるスピードまで落として、1音1音を大切に練習する。
•ミスを繰り返すのは練習ではなくただの無駄な時間。成功を繰り返すのが練習。
•リズムや音の粒が揃うことを最優先。
2.基礎練習を行わず、すぐに曲の練習をする
ピアノを始めたばかりの頃は、もちろん弾きたい曲や憧れの曲があるからこそピアノを始めたわけですから、すぐにその曲に挑戦したくなってしまうものです。しかしそれは基礎力の土台のない初心者では不可能です。
そもそも、誰でもすぐに出来そうと感じるような曲には憧れないのではないでしょうか?
目にも止まらぬスピードで鍵盤を叩く圧倒的な技術や、聞いているだけで涙が出たり体が動き出してしまうプロの表現力に憧れてピアノを始めたくなったはずです。
それはつまり、誰でもすぐ出来るものではないという証拠です。
ダメな理由:
•基礎力が育たないため、いつまで経っても今のレベルで無理な曲に挑戦するという段階を抜けない。
•無意識のうちに無理な弾き方が癖になってしまい、上達の妨げとなる。
対処法:
•曲の練習は基礎力がついてから。
•どうしても曲を弾きたい場合は簡単な童謡やバイエル初級程度から始めると良い。
ピアノ検定受検はこちらから
3.自己流で指番号を無視する
ピアノの演奏には指番号(親指=1、人差し指=2、中指=3、薬指=4、小指=5)というものがあり、最も合理的に弾くための指使いが非常に重要です。音楽の歴史、ピアノの歴史にも深く関わりますが、楽譜に記された指番号というものは、過去の偉大な音楽家やピアニストたちが研究に研究を重ねた結果です。
初心者が独学で「こっちの方が弾きやすいから」という理由で破ってよいものではなく、結果としてその方が弾きやすいというこはまずあり得ないのです。
ダメな理由:
•手の動きが無理な運びになり、ミスや疲れの原因になる。
•薬指や小指などの弱い指の指定があると人差し指や中指など使いやすい指に逃げてしまい、結果として弱い指が鍛えられない。
•指定と違う指で弾いて無理に指を開いてしまうことで、力んでしまったり怪我の原因となる。
•簡単な曲では強引な指使いでなんとかなったとしても、難しい曲や速い曲では必ず壁にぶつかり、限界がくる。
対処法:
•指番号は理由があって書かれているので、基本的に守る。
•指使いが納得できない場合は、先生や経験者に相談する。
•基本的には楽譜や教材に書かれている指番号を守って問題ないが、手の大きさや指の長さ、五指の開き具合によりどうしても無理な場合のみ自分のやりやすいように変更する。
4.曲の最初から最後まで通して練習
1曲を通して弾けるようになると楽しくなってきて、ついつい最初から最後までを何度も通して練習したくなるものです。それ自体は楽しくて良いのですが、それは今までの練習の結果であり、曲を繰り返し最初から最後まで弾いているだけでは次の成長には繋がりません。
ダメな理由:
•ミスをしやすい個所、力んでしまう箇所、リズムがずれてしまう箇所などを飛ばして通してしまい、弾ける気になってしまう。
•1曲を通して弾ける楽しさに酔ってしまい、苦手部分の克服から遠ざかってしまう。
•労力に対する上達効率がとても悪い。
対処法:
•難しい小節を1小節単位、あるいは1フレーズ単位で徹底的に練習。
•弾けないところだけを反復5〜10回練習し、通し練習は仕上げ段階で。
ピアノ検定受検はこちらから
5.片手練習を省略して両手で弾こうとする
両手で違うことを弾くという意味で、ピアノは特殊な楽器と言えます。そのため、昔から受け継がれる片手ずつの練習には非常に大きな意味と歴史があります。
しかし、片手ずつの練習はあまり面白いものではなく、どちらかと言うと地味なので、ついつい飛ばして両手での練習に移ってしまいがちです。
ダメな理由:
•両手の動きに頭が追いつかず、どちらも中途半端になって混乱してしまう。
•結果的にどっちの手も間違っている状態になりがち。
•かと言って右手のどの音と左手のどの音が同時になるのかという理解も重要なので、片手練習をしっかり行った後に両手練習に移るのが理想的。
対処法:
•片手ずつ完全に覚えてから両手に進む。
•片手練習で鍵盤を見ないでも弾けるぐらいになるのが理想。
6.脱力を意識せず、力任せで弾く
楽器だけでなく、スポーツでも格闘技でも全ては最終的には脱力に辿り着きます。プロが簡単そうに弾いているように見えてもしっかりとした打鍵力で大きな音が出せるのは、脱力状態でもしっかりとコツやタイミングがつかめているからです。
最初からプロのような音を出したい気持ちは分かりますが、力んだ結果大きな音にしてみても意味はありません。
ダメな理由:
•手首や腕に余計な力が入り、音が汚く、故障(腱鞘炎)のリスクもある。
•特に速いパッセージでつまずく原因となる。
•力み状態が癖づいてしまうと今後の上達を止めてしまう。
対処法:
•脱力の基本は手の重みで沈めるように弾く感覚。
•手首・肩の力を抜き、自然な重力の動きを利用する。
ピアノ検定受検はこちらから
7.毎回の練習に目標がない
ハノンやツェルニー、課題曲やメトロノーム練習など、一通り練習方法を覚えてくると、毎日の練習に課題や目標がなく、ただ機械的に同じ練習を繰り返すようになってしまいます。目的のない練習はただの反復運動に過ぎず、多くの時間を繰り返すことで練習している気になってしまいますが、実は上達していない場合が多いのです。
ダメな理由:
•何を達成すればよいかが分からず、惰性で練習することに。
•今日も〇時間練習した!という自己満足に陥ってしまう。
対処法:
•1回の練習で「このフレーズを止まらずに通す」「左手を暗譜する」などの小目標を。
•練習記録をつけるのも効果的。
8.同じ曲ばかり繰り返す
1曲通して弾けるようになることはとても楽しく、何度も繰り返し弾いて楽しみたくなります。しかしそれは出来ることを繰り返しているだけで、実は上達をしていないのです。
成長や上達とは、できないことを見つけて克服するということです。
できることだけを繰り返すことは実は成長や上達とは逆の意味となってしまいます。
ダメな理由:
•新しい課題に触れないため、技術や読譜の幅が広がらない。
•ある種のコンフォートゾーンにとどまり成長が止まる。
•出来ることが楽しくなってしまい、出来ないことに目を向けなくなる。
対処法:
•同時に2〜3曲を並行して練習し、異なる技術に触れる。
•同じような曲ではなくジャンルや奏法が異なる曲を選ぶ。
•できないことを克服する楽しさを理解する。
ピアノ検定受検はこちらから
9.メトロノームを使わず感覚で弾く
ピアノに限らず楽器の練習において、メトロノームを使用することは最重要項目と言えます。しかし、だからと言って最初から無理にメトロノームを使用すると、逆に上達を妨げてしまう場合があります。
ダメな理由:
•まだフレーズに慣れていない状態でメトロノームを使用すると、スピードについていくことに必死になり、無駄な力みが生まれたりミスが生じやすくなり、逆に練習にならない。
•「練習にはメトロノームを使わなければ!」という強迫観念に囚われてしまい、意味を理解せず使用して上記のような結果になってしまう。
対処法:
•練習したいフレーズに慣れて、メトロノームを聴く余裕が生まれてから使用する。
•メトロノームを使用する意味をしっかりと理解し、意味のある使い方をする。
10.レッスンに通わず完全独学(特に幼児・小学生)
一昔前は、ピアノを始める=レッスンに通うというくらい当たり前のことでしたが、現代ではYouTubeなどでレッスン動画を公開している講師も多く、レッスンには通わず自宅で動画などを見て独学をする方も増えているようです。他の楽器の経験がある人やスポーツ歴が長い人などは、基礎を固めることの重要性や上級者に習うことの必要性を理解していますが、特に幼児や小学生の場合はその経験がまだないため、無理に独学で学ぼうとし、その結果間違った練習法をずっと続けてしまったり、悪い癖がついて抜けなくなったり、そもそも悪い癖がついていることや上達していないことにすら気付けないという状態になる危険性があります。
ダメな理由:
•動画などで学ぶのは実は独学の範疇。
•確かに動画通りに練習をしているかも知れないが、動画側からのフィードバックはないため一方通行になってしまい、力み過ぎや指使いの間違いなどを指摘してもらえず、自分の間違いに気付けない。
対処法:
•月1回でもいいので、現在の状態を見てくれるレッスン講師に必ず習う。
•現代はオンラインレッスンもあるので、自宅に居ながら手軽にレッスンを受けることも可能。
ピアノ検定受検はこちらから