【力任せに叩くのはNG!】ドラム初心者がやらない方が良い練習10選/日本音楽能力検定協会

  • HOME
  • ブログ
  • 【力任せに叩くのはNG!】ドラム初心者がやらない方が良い練習10選/日本音楽能力検定協会
日本音楽能力検定協会です。
今回はドラムを始めたばかりの初心者がやらない方が良い練習法について、10選にまとめて解説させていただきます。
各項に「具体例」「問題点」「改善策」を補足させていただいておりますので、併せてご参照ください。
ドラム検定受検はこちらから

1.力任せに叩く

上級ドラマーやプロドラマーの演奏では、1打1打の音がとても大きくはっきりと聞こえます。
そのため、初学者の方はより大きな音を出す方が正解だと誤解してしまい、力任せに叩こうとしてしまいがちです。
しかし実際にはプロドラマーたちは非常に脱力が出来た状態でドラムを叩いていて、力で叩いているわけではありません。

具体例:

・スティックを強く握りすぎて腕全体で振り下ろす。
・乱暴に押し付けるイメージで叩いてしまい、跳ね返りを使えないため、上達の妨げとなる。

なぜ問題か?:
ドラムの音は「力」ではなく「振り子の原理」とスティックの反発を使って鳴らします。力任せに叩くとすぐに疲れてしまい、関節や腱を痛める原因になります。
また、叩くたびに音の粒がバラバラになり、プロのような均一な音が出せません。


改善策:
・軽く握り、手首・指のスナップを使う練習
・弱い力でも大きな音を出せる叩き方を意識する
・「力=スピード×重さ」なので、脱力した状態でスピードを生み、腕とスティックの重さをそのまま素直に下ろすイメージ

2.メトロノームなしで練習する

楽器の上達、特にドラムなどのリズム楽器において、メトロノームを使用しての練習は最重要項目です。
しかし初心者のうちはメトロノームに合わせることが難しく感じるため、自分のペースで好きに叩いてしまうことが多いようです。
特に曲に合わせての練習などでは音源を聴きながら合わせるためそれほど致命的にズレることはなく、叩けている気になってしまいがちです。

具体例:
・曲に合わせる前段階の基礎練習を、テンポを決めずにやる
・クリック音のズレに気づかずに進める

なぜ問題か?:
ドラムはリズムの土台です。テンポが揺れると他の楽器が合わせにくくなります。自分のテンポ感を過信して練習を続けると、後で矯正するのに何倍も時間がかかります。

改善策:
・メトロノームを常に使い、クリックと自分の音が完全に重なる感覚を磨く
・最初はゆっくりのテンポ(例:BPM60)で正確さを意識する
・そもそも自分のリズム感を過信せず、必ずメトロノームに合わせる癖をつける。

ドラム検定受検はこちらから

3.速さだけを追求する

プロドラマーなどの手数の多い超絶プレイに魅了されドラムを始めた人などは、とにかく速ければ凄い!手数の多いフレーズを叩きたい!という気持ちからスタートしてしまっているため、つい高度なフレーズに手を出し、無理な練習になりがちです。
速いフレーズは確かに魅力的ですが、プロドラマーにとってそれは「問題なく叩けるスピード」であって、無理に速く叩いているわけではないのです。
まずは丁寧に問題なく叩ける速度で練習し、問題なく叩けるスピードが上がっていくというのが正しい練習です。

具体例:
・連打やフィルをとにかく早く叩こうとする
・手数の多いフレーズばかりを練習しようとする
・スピードを上げるとフォームが崩れても気にしない

なぜ問題か?:
速さは「正確さ」と「脱力」の上に成り立つもの。土台がない状態で速さだけを求めると、手順が雑になり、後で一から直さなければならなくなります。
さらに、手数の多いフィルインや速度の速いビートパターンばかりに気を取られ、通常の基本ビートの練習が疎かになってしまっては本末転倒です。

改善策:
・「遅く正確に → 徐々に速く」という順序を徹底する
・テンポを決めて、段階的にBPMを上げる練習を取り入れる
・フォームや脱力など、正しい状態での練習を繰り返す

4.ドラムセット全体をいきなり使う

ドラムセットの中でスネア、キック、ハイハットのことを3点セットと呼び、全てのビートの基本となります。
まずはこの3つのパーツのみで基礎的な練習を行い、慣れてきたらシンバルやタム類などを増やしていきます。
基本ができていない状態で色々なパーツを叩くフレーズに手を出すと、全体が締まらないだらしないドラムになってしまいます。

具体例:
・派手なフィルインやシンバル回しを先に練習してしまう
・バスドラム、スネア、ハイハットの基礎が出来ていないのにタム回しを優先する

なぜ問題か?:
セット全体を使うと手足が忙しくなり、基礎的なリズムの正確さや音量バランスが崩れやすくなります。初心者はまず基本3点で8ビート、4ビート、16ビートなどの基礎を固め、キックのパターンを変えてみたりと色々を土台を固めるべきです。

改善策:
・スネア・バス・ハイハットの3点だけで基本パターンを叩き込む
・シンプルな曲に合わせる練習から始める
・土台がしっかりしていないと上積みの技術も全て無駄になると認識する

ドラム検定受検はこちらから

5.両手・両足を同時に動かす複雑なパターンに挑戦する

ドラムには様々な練習方法が存在し、特に現代ではYouTubeなどでレッスン動画を公開しているドラマーも多いため、初心者がいきなり高度な練習方法を知ることが出来てしまいます。そしてそういう練習に限って派手でかっこいいフレーズに繋がることが分かるため、まだ基礎の固まっていない初心者がつい手を出してしまいがちです。
しかしそれは、野球で言うとまだピッチャーマウンドからキャッチャーまでボールを届かせられない人が変化球を練習したり、サッカーで言うといきなりオーバーヘッドキックなどの派手な技を練習したりするのと同様に、身に着かないどころか、身に着いたとしても意味がないのです。

具体例:
・いきなり手足の独立性が必要なパターンを試す
・複雑なポリリズムをいきなり練習する
・YouTube動画を真に受けすぎる

なぜ問題か?:
初心者の脳はまず右手と右足などの基本的な連動に慣れる必要があります。難しい独立パターンにいきなり挑戦すると混乱し、基本のビート感が身につきません。

改善策:
・毎日の練習で必ずシンプルな基礎練習を行う
・簡単なパターンから徐々に複雑なフレーズに挑戦する

6.スティックを握り込みすぎる

ドラムのスティックは強く握り込むのではなく、手で軽く包み込んでいるだけで、実はぶらぶらの状態が理想とされています。
そのため、誤って空振りをしてしまったり、両方のスティック同士がぶつかってしまったりすると、プロでも演奏中にスティックを落としてしまうことがよくあります。
しかしこれはそれほど悪いことではなく、ちょっとした衝撃やミスでスティックを落としてしまうということは、脱力が出来ている証拠です。

具体例:
・スティックを手の中でぎゅっと握る
・握力でスティックをコントロールしようとする

なぜ問題か?:
スティックの握りには「遊び」が必要で、余裕がある握りだからこそ「跳ね返り」が生まれます。握り込みすぎると指や手首が硬くなり、音にムラが出ます。手が疲れて長時間練習できなくなることもあり、メリットが一つもありません。

改善策:
・指の第一関節に軽く引っ掛ける程度のグリップにする
・軽く握り、指の開閉や手首の回転で動かす意識を持つ

ドラム検定受検はこちらから

7.自分の叩く音を意識しない

これはドラムに限らず、ボーカル、ギター、ベース、ピアノ、ウクレレ、トランペット、ヴァイオリン、サックスなどあらゆる楽器に言えることですが、ただ楽譜の音符を追うことに集中しすぎるあまり、実際に出ている自分の音に意識が向かなくなることがあります。
例えて言うなら自分の好きな服を選んで着ることだけに満足してしまい、鏡を見て似合っているかどうかのチェックをしない状態です。

具体例:
・叩けているかどうかだけに集中し、音質を気にしない
・強弱や音の粒の揃い方を耳で確認しない

なぜ問題か?:
プロのドラマーは音の質(タッチ、強弱、音量バランス)を極端に意識します。これを無視すると「叩けるけど上手くない」状態に陥り、その以上のレベルに到達しなくなります。

改善策:
・自分の狙った音が出ているかどうか、しっかり意識する
・スマートフォンでも良いので必ず録音して、自分の音を確認する癖をつける

8.姿勢を気にしない

楽器演奏者にとって演奏中の姿勢(フォーム)は非常に重要です。
野球のバッティング、テニスやゴルフのスウィングなどでも正しく打球を飛ばすためにはまず正しいフォームが必要です。
しかし楽器に関しては間違ったフォームでもとりあえず音は出るため、スポーツと比べるとフォームを疎かにしがちな傾向が見られます。

具体例:
・椅子(スローン)の高さを適当に決める
・猫背で叩く、足の角度や重心を気にしない
・フォームが小さく、最小限しかスティックを振れていない

なぜ問題か?:
・長時間ドラムを叩くと疲れやすい
・手足の動きの可動域も制限される
・音や技術の向上にも悪影響


改善策:
・椅子(スローン)の高さ、背筋の伸ばし方、肘の位置を確認する
・鏡や動画で自分の姿勢をチェックする

ドラム検定受検はこちらから

9.ペダル練習をおろそかにする

ドラムという楽器が他の楽器と比べて特殊な理由として、足でペダルを踏んで太鼓を叩く「バスドラム」というパーツが存在することが挙げられます。
ドラムの上手さ=キックの上手さという言葉もあるように、キックの上達はドラムの上達の土台となります。
しかし初心者はつい手の練習(ルーディメンツ、速いストロークなど)ばかりをしがちで、キックの練習を疎かにする傾向があります。

具体例:
・手の練習(スティックワーク)ばかりに時間を使う
・キックペダルの踏み込みやコントロールは後回しにする

なぜ問題か?:
前項でご説明したドラムの基本となる3点セット(キック、スネア、ハイハット)の中で最も重要なパーツはキックです。
キックが下手な状態で両手のスティックワークだけが上手くても、ドラム演奏全体としては迫力に欠け、リズムも不安定になってしまいます。

改善策:
・バスドラム単体練習(4分、8分、ダブル)を取り入れる
・ハイハットのオープン・クローズ操作を足で練習する
・曲のキックだけで通して練習してみる

10.すぐに上達すると思っている

最後は練習法というよりは意識の問題ですが、ドラムに限らず楽器の上達には長い年月を要するものです。
最初は地味でつまらなく感じる基礎練習をしっかりと積み重ね、ゆっくり丁寧に叩ける簡単なフレーズから徐々に難易度を上げ、メトロノームに合わせながらリズムを確認し、少しずつ少しずつ上達していくのが基本です。
しかし、やはり好きな曲を叩きたいという気持ちから始まっているため、基礎の土台を作る前に曲練習に取り掛かってしまい、数か月後には憧れのドラマーのように叩けると思ってしまいがちです。

具体例:
・いきなり曲の練習に取り掛かる
・つまらない基礎練習を行わない

なぜ問題か?:
低い基礎力のまま高度な曲を叩くことは出来ません。
今のレベルで無理に高度な曲を叩こうとすると、間違ったフォームや力んだ演奏のままになってしまうことも。

改善策:
・ドラムの習得には何年も必要だと認識する
・上手い人ほど基礎練習を大事にしている

ドラム検定受検はこちらから

お申し込みはこちら

音楽検定のお申し込みは
こちらからお願いいたします。