2025/05/31
日本音楽能力検定協会です。
今回は裏声(ファルセット)を美しくコントロールできるようになるための練習方法をご紹介させていただきます。
ファルセットの上達には、喉の脱力や息のコントロール、共鳴の使い方が大切です。
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唇をプルプルと震わせながら、声を出す発声法です。裏声でやることで、喉に力を入れずに自然な息の流れと共鳴を作ることができます。
•口を軽く閉じて「ブルルルル」とリップロールを行う
•ピアノなどの音を使って、音階練習(ドレミファソファミレド)を裏声で
•息を一定に保ち、喉ではなく「息」で音程を変える意識を持つ
ポイント:
•力が入ると唇が震えなくなるので、リラックスが最重要
•裏声の出だしがスムーズになります
•いきなり高音が出にくい場合には、少し低い音程から助走をつけるように上げていくと出やすい
ありがちなミス:
•唇がうまく震えず、音がブツブツ切れてしまう
•息を強く出しすぎてリップロールが途切れてしまう
•通常のファルセットでは出る音程が、リップロールでは出せないという症状に陥る
注意点:
•息は「多く」ではなく「細く長く」が基本
•指で両頬を軽く支えて唇をリラックスさせるとやりやすい
•無理に音程を上げ下げしようとしないこと(自然な範囲でOK)
細く閉じた母音は裏声を安定させやすく、共鳴の調整にも適しています。特に「イー」は音の焦点が明確になり、響きの場所をコントロールしやすいです。
•小さな音量で「ウー」「イー」と音階練習
•息漏れしすぎないように注意しながら、しっかり声を出す
•声を鼻腔や前頭部に響かせるイメージで行う
ポイント:
•「ア」や「オ」は最初難しいので後回しでOK
•力んだら深呼吸して、喉を開放する意識を持ちましょう
ありがちなミス:
•喉に力が入ってしまい、苦しそうな声になる
•息漏れが激しく、音程が不安定になる
注意点:
•喉を閉めずに「頭の後ろ側」に響かせるイメージ
•音がかすれても焦らず、息の量と支えを見直す
•最初は「イー」より「ウー」の方が安定しやすい
ハミング(鼻歌)は声を前に響かせる感覚を掴むのに最適です。裏声を鼻腔に響かせるように練習することで、響きの位置をコントロールできます。
•鼻をつまんで響きが止まる=鼻腔共鳴ができている証拠
•低い音から高い音まで滑らかに移動してみる
•裏声でもハミングができるように挑戦する
ポイント:
•口を閉じて行うので、喉の負担が少ない
•体の「振動」を感じながら行うのが効果的
ありがちなミス:
•声を出しすぎてハミングになっていない(普通の発声になっている)
•鼻腔に響かせる意識がなく、口の中だけで響かせようとする
注意点:
•音量は小さく、息を通しながら「鼻に響かせる」感覚を優先
•軽く口角を上げると共鳴しやすい
•鼻をつまんで声が止まるかで、鼻腔共鳴しているか確認できる
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サイレンのように「ウ〜〜〜」と音を上下させることで、声帯の柔軟性と音程移動が滑らかになります。
•裏声で低音から高音へ、または逆方向へ滑らかに移動
•力まず、できるだけ細く息を出すようにする
•口をすぼめた「ウー」の形で行うと効果的
ポイント:
•音のつなぎ目がガクッとなったら、それが「喚声点」
•その付近を繰り返し練習して「つなぎ」をなめらかにします
•喚声点(ブレイクポイント)はなくならない。その部分に声をぶつけ続けるのではなく、その部分を避けるように声が出るポイントを探す練習
ありがちなミス:
•音程がガタガタしてしまい、スムーズに上下できない
•力んで音程が急激に変わってしまう
注意点:
•ゆっくり滑らかに、ピッチをなめらかに移動する意識
•一気に高音に行かず、範囲を狭くして始めると良い
•口を「ウ」の形でやると喉が開きやすくなる
繰り返しトレーニングを行っていくと徐々に太い声が出るようになるので、最初は無理に強く出そうとせず、息と声帯のバランスを丁寧に整えます。
いきなり大きな裏声を出そうとすると、声帯が閉じすぎて不安定になりがち。まずは小さな音量からスタートして、息と声帯のバランスを整えましょう。
•息漏れを恐れず「ふわっ」と出してみる
•音程を1音ずつ確認しながらスローペースで
•声が裏返っても気にせず、そこが今の練習ポイントであると理解する
ポイント:
•息を細く長く使う練習になる
•「安定した裏声」への第一歩
ありがちなミス:
•声が出ないからといって、無理に大きく出そうとする
•息が止まりがちで、かすれた音しか出ない
注意点:
•音がかすれても問題なし。「鳴らす」より「流す」意識
•小声でも音程を意識すること
•腹式呼吸で支えを保つと安定する
声をつけずに、息だけで「フーーッ」と音の高さを意識して出す練習。裏声に必要な息の方向性・量・圧力を整える効果があります。
•「ドレミファソ〜」を息だけでイメージして吹き出す
•実際には音は鳴らないが、イメージが重要
•次に、そのまま裏声で声をのせると、息の支えが活きてくる
ポイント:
•歌う前の「準備運動」として有効
•肺活量や息の持続力アップにもつながる
ありがちなミス:
•単に息を吐くだけになってしまい、音程を意識していない
•息が速く短くなってしまう
注意点:
•「音の高さ」を頭の中でしっかりイメージしてから息を吐く
•ロウソクの火を揺らさないくらい、ゆっくりとした息で
•息が一定に出せるようになると裏声の土台ができる
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エッジボイス(カエル声)は、声帯をギリギリ閉じた状態で出す低い音。声帯を鍛えて、裏声のコントロールにもつながります。
•「あ”あ”あ”…」のように、力を入れずに低くガラガラした音を出す
•1回5秒×3セットくらいでOK
•出した直後に裏声を出してみると、音がしっかりする
ポイント:
•やりすぎ注意(声帯を痛める可能性あり)
•声帯の閉じが弱い人に特に有効
ありがちなミス:
•ガラガラ声を出しすぎて喉を痛める
•長時間連続で行ってしまう
注意点:
•1日3セット程度、各5秒くらいで十分
•喉に痛みや違和感を感じたら即中止
•裏声と交互に出すことで効果が上がる
童謡やスローバラードなど、音域が広すぎない曲を裏声で練習すると、実戦感覚で発声が身に付きます。
•例:「きらきら星」「上を向いて歩こう」など
•全編裏声、部分的裏声など、バリエーションを持たせる
•声に感情や強弱をつけてみると、表現力も向上
ポイント:
•裏声でも「言葉を伝える」意識を持つとより良い
•録音して聴き返すと発見が多い
ありがちなミス:
•いきなり高音を頑張って出そうとし、苦しい声になる
•地声が混ざって裏返ることが多い
注意点:
•裏声で歌える範囲の曲を選ぶ(高すぎる曲は避ける)
•声の強さより「響き」を意識して歌う
•音が裏返っても失敗ではない
裏声は自分では「きれい」に聴こえても、他人にはかすれて聴こえていたりすることがあります。録音はそのズレを修正する手段です。
•スマホやICレコーダーで手軽に録音
•何度も聴き返して、改善点をメモする
•上達の過程を記録として残すのもモチベーションになる
ポイント:
•環境音の少ない場所で録音するとわかりやすい
•プロの歌手の音源と比べてみる
ありがちなミス:
•録音にショックを受けて、やる気がなくなる
•聴き返さずに録音だけして満足してしまう
注意点:
•あくまで「成長の記録」。欠点=改善のヒント
•同じフレーズを日を空けて録音し、成長を比較する
•客観的に聴くために、少し時間を空けて聴き返すと良い
裏声のまま力強く歌うには、ミックスボイスに近づける必要があります。裏声の「息成分」を少し減らし、芯のある音を出す練習です。
•「あーーー」と裏声で出し、だんだん地声に寄せていく
•境界(喚声点)で声が裏返らないよう、ブリッジ練習
•裏声に少しだけ地声の要素を混ぜるイメージ
ポイント:
•難易度は高めだが、歌の表現力が大きく上がる
•地声と裏声の「行き来」練習は、毎日少しずつ
ありがちなミス:
•無理に地声成分を混ぜようとして喉が締まる
•裏声と地声の切り替えが急激になり、ガクッと裏返る
注意点:
•「徐々に混ぜる」感覚を持つ(いきなり強く出さない)
•「地声の弱い版」や「裏声の強い版」を探っていく
•喚声点を見つけて、その前後を繰り返し練習する
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今回は裏声(ファルセット)を美しくコントロールできるようになるための練習方法をご紹介させていただきます。
ファルセットの上達には、喉の脱力や息のコントロール、共鳴の使い方が大切です。
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1.リップロール(リップトリル)で発声練習
唇を震わせながら裏声で音階練習をすることで、喉を脱力させたまま息の流れを安定させる練習になります。唇をプルプルと震わせながら、声を出す発声法です。裏声でやることで、喉に力を入れずに自然な息の流れと共鳴を作ることができます。
•口を軽く閉じて「ブルルルル」とリップロールを行う
•ピアノなどの音を使って、音階練習(ドレミファソファミレド)を裏声で
•息を一定に保ち、喉ではなく「息」で音程を変える意識を持つ
ポイント:
•力が入ると唇が震えなくなるので、リラックスが最重要
•裏声の出だしがスムーズになります
•いきなり高音が出にくい場合には、少し低い音程から助走をつけるように上げていくと出やすい
ありがちなミス:
•唇がうまく震えず、音がブツブツ切れてしまう
•息を強く出しすぎてリップロールが途切れてしまう
•通常のファルセットでは出る音程が、リップロールでは出せないという症状に陥る
注意点:
•息は「多く」ではなく「細く長く」が基本
•指で両頬を軽く支えて唇をリラックスさせるとやりやすい
•無理に音程を上げ下げしようとしないこと(自然な範囲でOK)
2.「ウー」や「イー」で裏声練習
母音を細く閉じた発音で裏声を出すと、ピッチや息のコントロールがしやすくなります。「イー」が一番緊張しやすいので、そこを重点的に練習するのも効果的です。細く閉じた母音は裏声を安定させやすく、共鳴の調整にも適しています。特に「イー」は音の焦点が明確になり、響きの場所をコントロールしやすいです。
•小さな音量で「ウー」「イー」と音階練習
•息漏れしすぎないように注意しながら、しっかり声を出す
•声を鼻腔や前頭部に響かせるイメージで行う
ポイント:
•「ア」や「オ」は最初難しいので後回しでOK
•力んだら深呼吸して、喉を開放する意識を持ちましょう
ありがちなミス:
•喉に力が入ってしまい、苦しそうな声になる
•息漏れが激しく、音程が不安定になる
注意点:
•喉を閉めずに「頭の後ろ側」に響かせるイメージ
•音がかすれても焦らず、息の量と支えを見直す
•最初は「イー」より「ウー」の方が安定しやすい
3.ハミングで共鳴位置を確認
鼻腔に響かせるようなハミングで裏声を出すと、無駄な力を抜いて響きを感じやすくなります。ハミング(鼻歌)は声を前に響かせる感覚を掴むのに最適です。裏声を鼻腔に響かせるように練習することで、響きの位置をコントロールできます。
•鼻をつまんで響きが止まる=鼻腔共鳴ができている証拠
•低い音から高い音まで滑らかに移動してみる
•裏声でもハミングができるように挑戦する
ポイント:
•口を閉じて行うので、喉の負担が少ない
•体の「振動」を感じながら行うのが効果的
ありがちなミス:
•声を出しすぎてハミングになっていない(普通の発声になっている)
•鼻腔に響かせる意識がなく、口の中だけで響かせようとする
注意点:
•音量は小さく、息を通しながら「鼻に響かせる」感覚を優先
•軽く口角を上げると共鳴しやすい
•鼻をつまんで声が止まるかで、鼻腔共鳴しているか確認できる
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4.スライディング発声練習(サイレン練習)
高い音から低い音、またはその逆を「ウー」などでなめらかに移動。声帯の伸縮を柔軟にする効果があります。サイレンのように「ウ〜〜〜」と音を上下させることで、声帯の柔軟性と音程移動が滑らかになります。
•裏声で低音から高音へ、または逆方向へ滑らかに移動
•力まず、できるだけ細く息を出すようにする
•口をすぼめた「ウー」の形で行うと効果的
ポイント:
•音のつなぎ目がガクッとなったら、それが「喚声点」
•その付近を繰り返し練習して「つなぎ」をなめらかにします
•喚声点(ブレイクポイント)はなくならない。その部分に声をぶつけ続けるのではなく、その部分を避けるように声が出るポイントを探す練習
ありがちなミス:
•音程がガタガタしてしまい、スムーズに上下できない
•力んで音程が急激に変わってしまう
注意点:
•ゆっくり滑らかに、ピッチをなめらかに移動する意識
•一気に高音に行かず、範囲を狭くして始めると良い
•口を「ウ」の形でやると喉が開きやすくなる
5.小さな声量で裏声の安定性を高める
最初は弱くてかすれた裏声でも構いません。繰り返しトレーニングを行っていくと徐々に太い声が出るようになるので、最初は無理に強く出そうとせず、息と声帯のバランスを丁寧に整えます。
いきなり大きな裏声を出そうとすると、声帯が閉じすぎて不安定になりがち。まずは小さな音量からスタートして、息と声帯のバランスを整えましょう。
•息漏れを恐れず「ふわっ」と出してみる
•音程を1音ずつ確認しながらスローペースで
•声が裏返っても気にせず、そこが今の練習ポイントであると理解する
ポイント:
•息を細く長く使う練習になる
•「安定した裏声」への第一歩
ありがちなミス:
•声が出ないからといって、無理に大きく出そうとする
•息が止まりがちで、かすれた音しか出ない
注意点:
•音がかすれても問題なし。「鳴らす」より「流す」意識
•小声でも音程を意識すること
•腹式呼吸で支えを保つと安定する
6.息だけで音を出すブレストーン練習
息を吐きながら裏声の息成分を感じるように練習すると、声帯閉鎖が適切なポイントを掴めます。声をつけずに、息だけで「フーーッ」と音の高さを意識して出す練習。裏声に必要な息の方向性・量・圧力を整える効果があります。
•「ドレミファソ〜」を息だけでイメージして吹き出す
•実際には音は鳴らないが、イメージが重要
•次に、そのまま裏声で声をのせると、息の支えが活きてくる
ポイント:
•歌う前の「準備運動」として有効
•肺活量や息の持続力アップにもつながる
ありがちなミス:
•単に息を吐くだけになってしまい、音程を意識していない
•息が速く短くなってしまう
注意点:
•「音の高さ」を頭の中でしっかりイメージしてから息を吐く
•ロウソクの火を揺らさないくらい、ゆっくりとした息で
•息が一定に出せるようになると裏声の土台ができる
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7.エッジボイスで声帯を鍛える
裏声と地声の境界を滑らかにするために、エッジボイス(カエル声)で声帯の閉鎖を高めましょう。エッジボイス(カエル声)は、声帯をギリギリ閉じた状態で出す低い音。声帯を鍛えて、裏声のコントロールにもつながります。
•「あ”あ”あ”…」のように、力を入れずに低くガラガラした音を出す
•1回5秒×3セットくらいでOK
•出した直後に裏声を出してみると、音がしっかりする
ポイント:
•やりすぎ注意(声帯を痛める可能性あり)
•声帯の閉じが弱い人に特に有効
ありがちなミス:
•ガラガラ声を出しすぎて喉を痛める
•長時間連続で行ってしまう
注意点:
•1日3セット程度、各5秒くらいで十分
•喉に痛みや違和感を感じたら即中止
•裏声と交互に出すことで効果が上がる
8.裏声で歌う簡単な曲を練習する
童謡やスローテンポのバラードなど、裏声で歌いやすい曲を使って表現力をつけましょう。童謡やスローバラードなど、音域が広すぎない曲を裏声で練習すると、実戦感覚で発声が身に付きます。
•例:「きらきら星」「上を向いて歩こう」など
•全編裏声、部分的裏声など、バリエーションを持たせる
•声に感情や強弱をつけてみると、表現力も向上
ポイント:
•裏声でも「言葉を伝える」意識を持つとより良い
•録音して聴き返すと発見が多い
ありがちなミス:
•いきなり高音を頑張って出そうとし、苦しい声になる
•地声が混ざって裏返ることが多い
注意点:
•裏声で歌える範囲の曲を選ぶ(高すぎる曲は避ける)
•声の強さより「響き」を意識して歌う
•音が裏返っても失敗ではない
9.録音して聴き返す
裏声の不安定さや息漏れなど、自分の耳では気付きにくいポイントをチェックできます。裏声は自分では「きれい」に聴こえても、他人にはかすれて聴こえていたりすることがあります。録音はそのズレを修正する手段です。
•スマホやICレコーダーで手軽に録音
•何度も聴き返して、改善点をメモする
•上達の過程を記録として残すのもモチベーションになる
ポイント:
•環境音の少ない場所で録音するとわかりやすい
•プロの歌手の音源と比べてみる
ありがちなミス:
•録音にショックを受けて、やる気がなくなる
•聴き返さずに録音だけして満足してしまう
注意点:
•あくまで「成長の記録」。欠点=改善のヒント
•同じフレーズを日を空けて録音し、成長を比較する
•客観的に聴くために、少し時間を空けて聴き返すと良い
10.地声とのつながりを意識して練習する(ミックスボイスに近づける)
裏声のまま力強さを出す練習(ブリッジの克服)は、最終的にミックスボイス習得にもつながります。裏声のまま力強く歌うには、ミックスボイスに近づける必要があります。裏声の「息成分」を少し減らし、芯のある音を出す練習です。
•「あーーー」と裏声で出し、だんだん地声に寄せていく
•境界(喚声点)で声が裏返らないよう、ブリッジ練習
•裏声に少しだけ地声の要素を混ぜるイメージ
ポイント:
•難易度は高めだが、歌の表現力が大きく上がる
•地声と裏声の「行き来」練習は、毎日少しずつ
ありがちなミス:
•無理に地声成分を混ぜようとして喉が締まる
•裏声と地声の切り替えが急激になり、ガクッと裏返る
注意点:
•「徐々に混ぜる」感覚を持つ(いきなり強く出さない)
•「地声の弱い版」や「裏声の強い版」を探っていく
•喚声点を見つけて、その前後を繰り返し練習する
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