【いきなり高音練習はNG!】トランペット初心者がやらない方が良い練習10選/日本音楽能力検定協会

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日本音楽能力検定協会です。
今回はトランペット初心者がやらない方が良い練習方法を10選にまとめてご紹介させていただきます。
各項に「ありがちなミス」や「改善法」を補足しておりますので、併せてご参照くださいませ。
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①いきなり高音ばかり吹こうとする

高音はアンブシュア(口の形)・息の支え・唇の強さが整わないと不可能です。無理やり出そうとすると唇が壊れたり、悪い癖がついてしまいます。
まずは低音~中音域で基礎的なアンブシュアをしっかりと固め、慣れてきたら高音域に挑戦するという手順がおすすめです。

ありがちなミス:
高いド、ミ、ソなどをムリヤリ出そうと力む。変な口の形(例えば口角を締めすぎる)で無理に押し出す。

改善法:
まず中音域(G, A, B♭)でしっかり安定した音を作る。リップスラーやスケール練習で段階的に高音域に慣れる。

アンブシュアとは?

アンブシュア(embouchure)、金管楽器や木管楽器を吹くときの 口の形・唇の使い方・筋肉の使い方全般 を指す言葉です。特にトランペットでは重要な概念です。

✅アンブシュアの構成要素(トランペットの場合)
•唇の形:息を吹き込んだときに振動するよう、適度に閉じる
•口輪筋(こうりんきん)の使い方:唇の周りの筋肉を締めて支える
•歯の位置:上下の歯の距離感や位置も影響する
•舌の位置:音の高さやアタック(発音)に影響
•マウスピースの当て方:上唇・下唇にどのくらいの比率で乗せるか(例:上唇多めの人が多い)

✅なぜ大事?
アンブシュアが整っていないと:
•音が出ない・響かない
•高音が出ない
•息がすぐ漏れて苦しい
•長時間吹くと唇が疲れてしまう
•音程や音色が不安定になる

逆にアンブシュアをうまく整えられると:
•音の響き・抜けが良くなる
•音域が広がる(高音も低音も安定)
•長時間吹いてもバテにくくなる
•コントロールがしやすくなる

✅初心者向けポイント
•無理に力まない:唇をギュッと締めすぎると逆に鳴らない
•口角を軽く引き上げる:笑顔のように少し引くと響きが良くなる人が多い
•マウスピースを左右均等に当てる:アンバランスだと変な癖がつく
•小さな音・低い音から練習する:最初から高音や大音量を求めると唇を痛めやすい

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②ロングトーンを力みながらやる

トランペットなどの金管楽器において、基礎トレーニングとしてロングトーン(音を伸ばす)ロングトーンは力を入れて耐える練習ではありません。リラックスして、安定した息と響きを意識することが大事。

ありがちなミス:
肩や首に力を入れて息を耐えるように吹く。結果、疲れて音がつぶれる。

改善法:
息は「細く長く」安定させる。肩をリラックスし、背筋を伸ばし、ゆっくり呼吸してから音を出す。

ロングトーン練習の重要性

✅音の質(音色)の向上
トランペットの音は、リップ振動・息の流れ・アンブシュア(唇の形)の微妙なバランスで決まります。
ロングトーンは長い音を安定して鳴らし続けることで、自分の音色を「耳で確認」し、「整える」時間になります。
上手いプレイヤーはこの練習で、濁りのない、芯のある、伸びやかな音を育てています。

✅ブレスコントロールの強化
長い音を安定して出すには、息をムダなく効率的に使う必要があります。
ロングトーンを続けることで:
•息を最後までしっかり使い切る感覚
•吸う量と吐く量のバランス
•息のスピードや圧の安定
が鍛えられます。

✅音程感覚・ピッチ感覚の育成
トランペットはちょっとしたアンブシュアや息のコントロールで音程が変わってしまう楽器です。
ロングトーンではチューナーを見たり耳で聴いたりしながら、音程を微調整する練習ができます。
これにより、アンサンブルでズレない「安定した音程感覚」が身につきます。

✅唇(リップ)の筋力と持久力アップ
唇の振動を支える筋肉はすぐ疲れてしまうので、長時間安定して音を出せる持久力が必要です。
ロングトーンは唇周りの筋トレのような役割を果たし、長い演奏にも耐えられる基礎体力をつけてくれます。

✅集中力・メンタル強化
一見単調な練習ですが、ロングトーンは「ただ音を伸ばす」だけでは意味がなく、
• 音の変化を細かくチェックする
• 息・唇・舌・喉の状態をモニターする
など、集中力が求められます。
これを日々続けることで、演奏中のメンタルコントロール力も上がります。

✅補足
特に初心者さんには「退屈な練習」に思えるかもしれませんが、実はプロでもロングトーンを日課にしている人は多いです。
そのくらい、基礎の中の基礎、土台を作る重要な練習だと思ってください。

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③唇が痛くなっても練習を続ける

唇は繊細な筋肉と皮膚です。痛みを我慢して練習すると炎症や腫れ、最悪マウスピース恐怖症になります。

ありがちなミス:
練習熱心さが裏目に出て、唇がヒリヒリしてもまだ大丈夫だと無理に続ける。

改善法:
15〜20分ごとに休憩を入れる。痛みを感じたらすぐ中断し、冷たい水や氷で冷やすという処置もある。


④息をたくさん入れすぎる(息を押し込みすぎる)

大量の息を押し込むと音が割れたり、アンブシュアが崩れたりします。コントロールできる息量で吹く練習を。

ありがちなミス:
深呼吸しすぎて胸がパンパン。息を強く出しすぎて音がブワッと割れる。

改善法:
息は「必要な分だけ」使う意識。マウスピースの抵抗を感じながら、少しずつ息を流す。

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⑤アンブシュアを頻繁に変える

「これでいいのかな?」と迷って毎回アンブシュアを変えると、筋肉が育たず安定しません。先生や経験者に見てもらって、まずは一貫性を。

ありがちなミス:
音が出ないと、すぐに口の位置を変えたり唇の当て方をいじる。

改善法:
まずは正しいアンブシュア(基本は「微笑むように、自然に」)を確認。先生や動画で基礎をチェックして、それを固定して練習。


⑥マウスピースだけで吹きすぎる

マウスピース練習は有効ですが、やりすぎるとバランスが崩れます。楽器をつけて響きや抵抗を体感する時間が重要。

ありがちなミス:
音が出しやすいからと、マウスピース単体ばかり練習してしまう。

改善法:
マウスピース練習は1日5分程度にとどめ、必ず楽器をつけて響き・抵抗感を練習する時間を確保。

マウスピース練習の目的と重要性

✅唇の振動(バズィング)の確認と強化
トランペットは「唇の振動」が音の源です。楽器をつけた状態だと管の抵抗や共鳴があるので、唇の動きがごまかせてしまうことがあります。
マウスピース単体で吹くことで、純粋に「唇がしっかり振動しているか」を確認・強化できます。

✅アンブシュア(口の形・筋肉)の強化
マウスピース練習では、唇・口周りの筋肉を意識的に使います。これは口輪筋(こうりんきん)や口角周りの小さな筋肉群で、普段は鍛えにくいところ。
マウスピースでの練習は、この微細な筋肉のコントロール力を養います。

✅音程感覚の純化
マウスピース練習では「ピッチ(音程)」の調整を自分の唇の振動だけでやります。楽器が助けてくれない分、純粋な音感・ピッチ感が鍛えられます。

✅息の流れと支えの確認
マウスピース練習では、少しでも息が弱いと音が鳴りません。逆に、力んだり無理に吹くと唇がバサつきます。息の流れをスムーズに保ち、支えを安定させるための良い訓練です。

✅無駄な力みのチェック
楽器を構えたとき、肩や首、手に無駄な力が入りがちです。マウスピースだけだと、そうした余計な力を抜いて、純粋に「息と唇のコントロール」に集中できます。

✅マウスピース練習の具体例
•ロングトーン:息を安定させて一定の音をキープする練習
•リップスラー:音程を上下に滑らかに変える練習(唇だけで行う)
•スケール練習:簡単な音階を唇だけで歌うように吹く
※1日5分でも継続することで、安定感が大きく変わります。

⚠️注意点
• 強く吹きすぎない → 唇が疲弊するだけで逆効果
• なるべく鏡を見て口の形を確認する
• 音の高さが不安定でも焦らず、正確さを優先する


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⑦音階練習を雑にやる(指だけ動かす)

指は合っていても、音が汚ければ意味がありません。常に美しい音を出す意識で集中力を保って練習しましょう。

ありがちなミス:
指が正しく動くことばかりに意識が行き、音の質や息の流れが崩れてしまう。

改善法:
ゆっくりのテンポで、美しい音・正しいピッチを意識しながら練習しましょう。
速さよりも正確性を重視しましょう。目指すべきは「速く丁寧」ですが、「遅く丁寧」はいつか「速く丁寧」に変わりますが、「速く雑」な練習はいつまで経っても「速く丁寧」には変わりません。

⑧チューナーを見ずにずっと練習する

初心者は音感が育っていないので、少しずつチューナーを使って正しいピッチを体で覚えることが必要です。

ありがちなミス:
自分の感覚を過信し、合っているはずだと思い込む。

改善法:
毎日少しの時間はチューナーを使って、基準音(例:B♭)を確認。耳と体をピッチに慣れさせる。

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⑨ウォームアップ・クールダウンを省略する

いきなり難曲や高音を吹くと唇の負担が大きく、故障リスクが上がります。短時間でも基本のロングトーンやリップスラーを。

ありがちなミス:
練習時間が短いと「今日は基礎は飛ばして曲だけ…」となりがち。

改善法:
最低でも5分のウォームアップ(ロングトーン・リップスラー)と、最後に低音でクールダウン。


⑩練習時間を一気にまとめて長時間取る

一日3時間練習するより、1時間×3日に分けたほうが効率が良く、唇も守れます。
筋力トレーニングなども同じで、腕立て伏せを1日に頑張って100回やって6日間休むよりも、毎日20回ずつを5日間繰り返すほうが圧倒的に効率的です。

ありがちなミス:

「今日は2時間空いてるから一気にやろう」とノンストップで練習し、結果唇がボロボロになってしまう。
さらに、昨日は2時間がんばったから今日は休んでもOKとなりがち。

改善法:

練習を30分ごとに区切り、途中に5〜10分の休憩を入れる。短時間集中型のほうが効率が良い。

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