【アコースティックギターの代表格!】Martin(マーティン)の歴史と主な使用者/日本音楽能力検定協会

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日本音楽能力検定協会です。
今回はアコースティックギターの代表格「Martin」の歴史について詳しく解説させていただきます。
Martin(マーティン)ギターは、アコースティックギターの代名詞とも言える存在で、その歴史は180年以上にわたります。

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1.創業期(1833年〜1850年代)

創業者:C.F. Martin Sr.
• 1833年、クリスチャン・フレデリック・マーティン(Christian Frederick Martin Sr.)がアメリカ・ニューヨークでギター製作を開始。
• ドイツ・ザクセン出身で、もともとウィーンの有名製作家 シュタウファー(Stauffer) のもとで修行。
• その後、ドイツ楽器職人組合の制約から自由を求めてアメリカに渡る。

ペンシルベニア移転
• 1839年、ペンシルベニア州ナザレス(Nazareth)に工房を移す。
• ここが現在もMartinの本拠地。

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2.進化と確立(1850年代〜1920年代)

Xブレーシングの発明
• 1850年代、内部構造の「Xブレーシング(X-Bracing)」を導入。
• ナイロン弦向けだったヨーロッパ型に対し、スティール弦への対応を見据えた設計。
• これは後のスティール弦アコースティックギターの標準構造となる。

モデルナンバー制度の導入
• Martinは「D-28」など、モデル名+数字の命名規則を確立。
• 「D」はドレッドノート(大型ボディ)を意味。
• 数字は装飾や仕様レベル(高いほど上位モデル)を表す。

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3.スティール弦とドレッドノート(1920年代〜1940年代)

スティール弦の本格採用
• 1920年代後半からスティール弦が標準に。
• それに対応する形で、Xブレーシングが大きな意味を持つ。

Dreadnought(ドレッドノート)シリーズの登場
• 1931年、「D-1」が登場。後の「D-18」「D-28」へとつながる。
• 「ドレッドノート」は元々ボストンの楽器店Ditsonとの共同開発で誕生。
• 名前はイギリス海軍の戦艦「ドレッドノート」級に由来。
• 大型で音量豊か、特にフォークやブルーグラスに理想的。

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4.黄金期(1940〜1960年代)

フォークブームとMartinの台頭
• ボブ・ディラン、ジョーン・バエズ、ピーター・ポール&マリーなどが使用。
• D-28、D-18、000-18 などが特に人気。
• この時代のMartinは今でも「黄金期」として特別視される。

5.工業化と多様化(1970年代〜1990年代)

生産性と品質のバランス
• 1970年代、需要増加に対応するため大量生産化が進む。
• 一部では「70年代は品質が落ちた」と言われるが、個体差がある。

シグネチャーモデルやカスタムショップ
• エリック・クラプトン、ジョニー・キャッシュ、ウィリー・ネルソンなどのシグネチャーモデルが登場。
• 高級カスタム路線も展開。

6.現代(2000年〜現在)

新素材・サステナビリティへの配慮
• 木材資源の制限により、リッチライト指板や合板を用いたモデルも。
• FSC認証材など環境への配慮を進めている。

ヴィンテージ・リイシューとハイエンド化
• 「Authentic Series」や「Golden Era」など、黄金期のリイシューモデルが登場。
• 高価格帯でも音質重視で人気。

手ごろなモデルも展開
• 「Road Series」「X Series」「Junior Series」など、初心者〜中級者向けラインも充実。

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代表的モデルの特徴

D-28 ローズウッド側板・バック。深みと広がりある音。

D-18 マホガニー側板・バック。明るく素直な音。

000-18 小ぶりなボディ。フィンガーピッキング向き。

OM(Orchestra Model) 長めのスケールで張りのある音。

フォーク・アメリカーナ系の代表的使用者

ボブ・ディラン
D-28、00-21
1960年代のフォークムーブメントの象徴。

ジョーン・バエズ
0-45、000-45
繊細なアルペジオにマッチする小型モデル。

ポール・サイモン(サイモン&ガーファンクル)
OM-42、000-28
スタジオでもライブでも使用。

ジョニー・キャッシュ
D-35(シグネチャーモデルあり)
渋く力強い音色に最適。

ウディ・ガスリー
D-18
「This Machine Kills Fascists」のステッカーで有名。

ロック・ポップス界の使用者

エリック・クラプトン
000-28EC(シグネチャー)、000-42
「MTVアンプラグド」で大きな注目を浴びた。

ニール・ヤング
D-45
フォークロックを代表する名演の多くで使用。

カート・コバーン(Nirvana)
D-18E(改造モデル)
『MTV Unplugged』の象徴的な演奏で使用。

ジョン・メイヤー
OMJM(John Mayerモデル)
Martinと長期コラボしている代表的現代アーティスト。

エド・シーラン
LX1(Little Martin)
小型ボディでライブや録音にも多用。コラボモデルも多数。

カントリー・ブルーグラス系の使用者

トニー・ライス
D-28(1935年製)
ブルーグラス界の伝説。マーティンと同名のシグネチャーモデルあり。

ウィリー・ネルソン
N-20(クラシック型)
「Trigger(トリガー)」と名付けた名器。穴が開いていることで有名。

ハンク・ウィリアムズ
D-28
カントリーの祖。

ヴィンス・ギル
D-45、OMモデルなど
楽曲によって様々なMartinを使い分ける。

クラシック/フィンガースタイル系

マイケル・ヘッジス
Custom Martin
フィンガースタイルの先駆者、特殊チューニングと奏法で有名。

トミー・エマニュエル
OMCモデルなど
ソロギターの名手として使用。

アンディ・マッキー
Custom Martin、OMモデル
スラップ・ハーモニクスなどでYouTubeで人気に。

日本の使用者(参考)

小田和正
D-45
透明感ある歌声と相性の良い繊細な音。

山崎まさよし
D-28、000シリーズ
弾き語りに最適な音の張り。

福山雅治
Custom Martin
ステージやPVでもよく見られる。

吉田拓郎
D-28、D-45
フォーク黎明期の旗手。

シグネチャーモデルが存在する主なアーティスト

• エリック・クラプトン(000-28EC)
• ジョン・メイヤー(OMJM、OM-28JM)
• エド・シーラン(LX Ed Sheeranシリーズ)
• トニー・ライス(D-28 Tony Rice)
• ジョニー・キャッシュ(D-35 Johnny Cash)
• デヴィッド・グリスマン(Custom DAWGモデル)

その他の著名な使用者(ジャンル横断)

スティング(The Police)
ソロ活動中に000-28などを使用。繊細な表現力が魅力。

エルヴィス・プレスリー
D-28などを所有。ロックの黎明期にもMartinは存在感を放っていた。

ジミー・ペイジ(Led Zeppelin)
スタジオ録音ではMartin D-28を使ったトラック多数。例:「Stairway to Heaven」。

デヴィッド・ギルモア(Pink Floyd)
ソロ曲や「Wish You Were Here」などでD-35を使用。

エルヴィス・コステロ
パーラーサイズのMartinを愛用し、ソロの弾き語りなどで使用。

ニック・ドレイク
短命だったが、000サイズのMartinを使って詩的な音世界を構築。

意外なMartinユーザー

レディー・ガガ
一部アコースティックライブで小型のMartin(LXなど)を使用。

カニエ・ウェスト
アコースティック要素のあるライブ演出でMartinを取り入れたことがある。

ジャスティン・ビーバー
エド・シーランと同様、Little Martinを使う映像が確認されている。

Martinのクラシック/ナイロン弦モデルを使用する人

ウィリー・ネルソン
N-20 “Trigger” はクラシックボディにスティール弦を張ったユニークなモデル。

ジョン・ウィリアムズ(クラシックギタリスト)
Martinのクラシックモデルを使用したことがある(録音限定)。

フラメンコ奏者の一部
ごく一部のフラメンコプレイヤーがMartinのナイロンモデルを愛用。

Little Martin(LXシリーズ)の人気者たち

エド・シーラン
代表的なユーザーで、自身の名を冠したコラボモデルを多数リリース。

テイラー・スウィフト
ツアー中のホテルなどで練習用として使用。LX1など。

ショーン・メンデス
若手シンガーソングライターの中でもLXモデルを使用。

変わり種:Martinを改造・装飾して使うアーティスト

カート・コバーン
D-18Eをピックアップ付きで改造。今では伝説のギター。

ウィリー・ネルソン
“Trigger” に大きな穴が空き、サインも多数。状態は悪いが現役使用中。

ジョン・フルシアンテ(Red Hot Chili Peppers)
ヴィンテージMartinを独自に改造して使用。

映画やドラマでの使用例

• 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』:マーティが演奏するシーンのギターはMartin風(実際はGibson ES-345の改造)。
• 『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』:60年代フォークシーンを描き、Martinが多く登場。
• 『ミュージック・オブ・ハート』:教師役のメリル・ストリープがMartinを使うシーンあり。

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Martinのギターを使うことで得られるステータス

Martinを使うことは単なる音の選択だけでなく、次のような意味合いを持つこともあります:
• 伝統・ルーツへの敬意
• プロフェッショナルとしての信頼感
• 録音における音の完成度の高さ
• 舞台映えするビジュアルの美しさ(特にD-45など)

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