2025/04/24
今回は世界中の音楽検定を、各国ごとに特徴を交えてご紹介します。
音楽能力の基準は非常に曖昧で、多くの方が主観的な感覚のみで判断してしまいがちです。
音楽検定の取得は客観的な評価を得られるため、プロを目指す方はレッスン教室を運営している先生方にとってはもちろん、音楽を始めたばかりの初学者の皆様の練習意欲向上、趣味で音楽を楽しむ方にとっての実力試しなど、多くの理由で非常に有効です。
音楽検定受検はこちらから
•対象:初心者~プロ
•筆記試験:ご指定の日時にPDFで問題用紙、解答用紙が送られてくる形式。ダウンロード受検も可能。
•実技試験:お好きな2曲を動画にて送付。演奏ジャンルは自由。
•音楽を始めたばかりの初学者から受検可能
•オンライン受検のため最も手軽に受検できる
音楽検定受検はこちらから
•対象: 初心者~プロレベル
試験のポイント
•自由曲演奏:自分で選んだ曲を演奏
•初見演奏:楽譜を渡されてすぐに弾く
•即興演奏(5級以上):与えられた課題をもとに即興で演奏
•伴奏づけ(5級以上):メロディにコードをつけて弾く
→ 5級以上になると即興力やコードの知識が必要になり、音楽的な総合力が試される。
② 指導グレード
ヤマハ音楽教室で指導するために必要な資格を測る試験。これも10級から1級まであります。
試験のポイント
•演奏力:生徒に手本を示せるレベルの演奏力
•指導法:実際のレッスンを想定した指導力
•楽典・ソルフェージュ:音楽理論や聴音能力
→ 3級以上はヤマハの講師として活躍するための必須資格とされることが多い。
③YAMAHAグレードのメリット
1.音楽の総合力が身につく(演奏・即興・初見など)
2.指導資格として活用できる(特に指導グレード)
3.音楽のプロを目指すための基準になる(音楽大学やプロ活動への足がかり)
特に、即興演奏や伴奏づけがあるのが特徴的で、クラシックだけでなくポピュラー音楽やアレンジの力も求められます。
•対象: ピアノ学習者
全日本ピアノ指導者協会(ピティナ、PTNA)は、ピアノ指導者や学習者、音楽愛好家を対象に、多岐にわたる検定やイベントを実施しています。主な検定制度として、以下のものがあります。
•指導実技:模擬レッスンなどを通じて、実際の指導能力を評価します。
•演奏実技:バロック、古典、ロマン、近現代の各時代から選曲し、演奏技術を検定します。
•筆記試験:音楽通論、音楽史、楽曲分析など、音楽知識の理解度を測ります。
•エッセイ(小論文):受講したセミナーの内容を、今後の指導にどう活用するかをまとめます。
各級の合格には、これらの試験をクリアする必要があり、合格後も3年ごとの更新が求められます。
これらの検定やイベントを通じて、ピティナはピアノ教育の質の向上と、指導者および学習者の継続的な成長を支援しています。
•対象: 各メーカーの音楽教室の生徒や一般受験者
特徴:
• 「演奏グレード」「指導グレード」に分かれる。
• 1級〜15級まであり、15級が初心者レベル、1級が最上級。
• 13〜7級: 一般の生徒向け(課題曲+自由曲)
• 6級以上: 専門的な内容(初見演奏や楽典を含む)
• 3級以上: 音楽指導者レベル(指導法や即興演奏も必要)
ヤマハと似ているが、カワイの方が技術面を重視する傾向がある。
特徴:
•クラシックだけでなくポップスやジャズにも対応。
•1級〜9級まであり、級が上がるほど高度な演奏技術や理論が求められる。
•「演奏グレード」「指導グレード」に分かれるが、ヤマハ・カワイより自由度が高い。
•即興演奏やバンドアンサンブルの評価もある。
ポピュラーミュージックを重視しているのが特徴で、特にドラムやギターなどの試験は実践的。
•対象: 初心者~プロ、音大志望者
ABRSM(Associated Board of the Royal Schools of Music、英国王立音楽検定)は、イギリスの4つの王立音楽学校(王立音楽大学、王立音楽アカデミー、王立スコットランド音楽院、王立北音楽大学)が共同で運営する国際的な音楽検定機関です。
•本部:ロンドン
•対象:ピアノ、弦楽器、管楽器、声楽、音楽理論など多岐にわたる
•受験可能地域:世界90か国以上
•目的:音楽教育の質を高め、世界標準の評価基準を提供する
実技試験(Practical Exams)
• グレード:1級(Grade 1)~8級(Grade 8)
• 試験内容:
1. 演奏課題曲(リストから選択)
2. スケールとアルペジオ
3. 視奏(Sight-Reading)
4. オーラルテスト(Aural Tests)(聴音、リズム、音程の識別など)
• ディプロマ試験(ARSM, DipABRSM, LRSM, FRSM)
グレード8の上級レベルとして、演奏家や音楽教師向けの専門資格試験もある。
音楽理論試験(Music Theory Exams)
• グレード1~8
• 4級以上は記述式(調号、和声分析、楽典、作曲など)
• グレード5以上を受験しないと、グレード6~8の実技試験を受けられない
演奏グレード試験(Performance Grades)
• 2020年に新設されたオンライン試験
• 4曲の演奏録画を提出する形式
2.実技と理論のバランス:理論試験が実技のステップアップに不可欠
3.クラシック音楽が中心:ポピュラー音楽やジャズは少なめ(ただし、Jazzグレードも存在)
4.合格率は比較的高いが、ハイレベルな演奏を求められる
•演奏技術と総合的な音楽力が向上する
•実技試験だけでなく、理論や聴音の力も鍛えられる
2.試験準備(公式シラバスに沿って練習)
3.試験実施(筆記または実技)
4.採点・結果発表(スコアシートとコメント付き)
•対象: クラシック、ポップス、ジャズの演奏者
MTNA(Music Teachers National Association, 全米音楽教師協会)は、アメリカの音楽教育者向けの専門団体で、1876年に設立されました。MTNAは、音楽教師の専門性を高めるためのさまざまなプログラムを提供しており、その中に 「MTNA認定プログラム(MTNA Certification Program)」 があります。
1.教育理念と指導法(Philosophy and Professionalism Statement)
•自身の音楽教育の理念、指導法、教育目標などを文書化。
•音楽指導の意義や、個々の生徒にどのように対応するかを示す。
2.指導能力の証明(Professional Teaching Demonstration)
•実際のレッスンを撮影した動画を提出し、指導技術を証明。
•生徒への指導スキルや教育的アプローチを評価される。
3.音楽理論とパフォーマンススキル(Musical Skills and Knowledge)
•音楽理論、視唱、聴音、演奏技術の試験が課される。
•ピアノ、ヴァイオリン、声楽などの楽器ごとに求められるレベルが異なる。
4.専門的な発展(Professional Growth)
•これまでの音楽教育のキャリアや、ワークショップ・セミナーへの参加履歴を提出。
•継続的に学習・研究を行っていることを証明する。
5.生徒の進歩の証明(Student Progress)
•指導した生徒の成長記録を提出し、指導成果を証明。
•生徒がどのように上達したかを具体的な例とともに示す。
•受験費用: 約200~375ドル(楽器や専門分野による)
•更新要件: 5年ごとに更新が必要(継続教育の証明など)
•MTNAのネットワークを活用し、教育法や最新の研究にアクセスできる。
•音楽教室の信頼度が向上し、生徒の獲得につながる。
•MTNAのイベントやコンペティションに関わる機会が増える。
•対象:ギター、ベース、ドラム、ボーカルなどのプレイヤー
Rockschool(ロックスクール検定)は、イギリス発祥のポピュラー音楽向けのグレード試験(音楽検定)で、クラシック音楽のABRSM(英国王立音楽検定)やTrinity College London(トリニティ音楽検定)と並ぶ国際的な資格の一つです。
クラシック音楽ではなく、ロック、ポップス、ジャズ、メタルなどの現代音楽ジャンルを中心に扱う。
•楽器・ボーカル・音楽制作など多様な科目
ギター、ベース、ドラム、キーボード、ボーカルのほか、音楽制作(Music Production)や作曲などの分野もある。
•実践的な試験内容
技術だけでなく、グルーヴ感や音楽的な表現力も評価される。即興演奏やセッション能力を問う課題もある。
•国際的な資格
英国の教育資格機関「Ofqual(資格・試験規制庁)」に認定されており、グレード8以上は大学入試資格(UCASポイント)に換算可能。
演奏系科目(ギター、ベース、ドラム、ボーカルなど)
1.指定楽曲の演奏
•課題曲(Rockschool公式テキストに掲載)を演奏
•一部の楽器では自作曲や自由曲の演奏も可能
2.テクニカルエクササイズ
•スケール、アルペジオ、リズムパターンなど
•即興演奏(Improv & Interpretation)が含まれることもある
3.耳コピ・視奏テスト(Supporting Tests)
•リズムまたはメロディを聴いて再現
•簡単な視奏(楽譜を見て演奏)
音楽制作(Music Production)
•DAWの操作、ミキシング、マスタリング、サウンドデザインなどのスキルを試験
•提出課題(アサインメント)と実技試験の組み合わせ
試験の受験方法
• 会場受験(Face-to-Face)
公式の試験会場で実技試験を受ける。
• オンライン受験(Video Exam)
演奏を録画し、提出する形式。
•即興演奏やアドリブ能力が身につく
•国際資格として履歴書や進学に活用できる
•公式の課題曲が最新の音楽トレンドに沿っている
•対象: 音楽教師、指導者
MTNA(Music Teachers National Association、全米音楽教師協会)検定は、音楽教育の専門性を証明するための資格制度です。MTNAは1876年に設立されたアメリカの音楽教師団体で、ピアノ、声楽、弦楽器、管楽器などの指導者を支援しています。
1.教育と経験の証明
•音楽学位(音楽教育・演奏など)を持っているか、同等の教育・経験があることを証明する。
•音楽教育の実務経験を持っていることが望ましい。
2.指導哲学と目標の記述
•自分の音楽教育に対する理念や指導のアプローチを文章にまとめる。
3.生徒の指導例の提出
•実際に生徒を指導している映像や指導計画を提出する。
•これにより、教育者としてのスキルが評価される。
4.レッスンプランの作成
•具体的な指導計画(レッスンプラン)を作成し、音楽教育の方法論を示す。
5.音楽知識と指導法の試験
•筆記試験またはオンラインテストで、音楽理論、教育法、歴史、演奏技術などの知識を証明する。
→保護者や生徒からの信頼を得やすくなる。
•教育の質の向上
→検定を通じて自分の指導法を見直し、より良い教育を提供できる。
•キャリアの発展
→MTNA認定教師は、音楽教育機関や個人レッスンでの指導者として高く評価される。
•ネットワークの拡大
→MTNA主催のイベントやワークショップに参加できる。
•対象: クラシック演奏者
•Preparatory(準備級)からLevel 10までのレベルがあり、その上に「ARCT(Associate of the Royal Conservatory of Toronto)」という専門レベルが存在します。
•レベルが上がるごとに技術的な要求が高まり、演奏技術、読譜力、音楽理論、視唱、聴音などのスキルが求められます。
2.試験科目
•実技試験(Practical Examination):課題曲、スケール&アルペジオ、視奏(Sight Reading)、聴音(Aural Skills)
•理論試験(Theory Examination):Level 5以上の実技試験を受ける場合、対応する理論試験の合格が必要になる。
3.認定と資格
•Level 10以上の合格者は、ARCTへの受験資格を得られる。
•高得点を取ると、奨学金や表彰を受けることも可能。
•カナダの高校では、一定のRCMレベルに達すると、単位として認められる場合もある。
4.評価基準
•各試験は100点満点で評価され、60点以上が合格。80点以上は「First Class Honors」、90点以上は「First Class Honors with Distinction」として表彰される。
メリット
•体系的な学習:段階ごとに必要なスキルが明確化されており、成長を実感しやすい。
•国際的な認知度:RCMの資格は北米や一部の国で評価が高く、大学入学時のアピールポイントにもなる。
•実技+理論のバランス:演奏だけでなく、楽典や聴音の能力も同時に鍛えられる。
•対象: 吹奏楽、ブラスバンドのメンバー
Musikabzeichen(ドイツ音楽バッジ検定)は、ドイツで音楽教育の一環として行われている資格試験の一種で、音楽の技術や知識を証明するためのバッジを取得するための検定です。音楽を学ぶ子どもたちや成人が対象となっており、音楽の演奏技術や音楽理論、音楽史に関する知識を測る内容が含まれます。
このバッジ制度は、特に学校や音楽教室で広く利用されており、段階的に難易度が設定されています。
1.レベルと段階
Musikabzeichenにはいくつかのレベルがあり、初級から上級までさまざまな段階で試験が行われます。各レベルごとに異なる要求があり、受験者はそのレベルに応じた演奏や理論の知識を証明する必要があります。
2.試験内容
試験は主に以下の要素から構成されます:
•演奏技術:指定された楽器(ピアノ、ギター、弦楽器など)を使った演奏、または歌唱
•音楽理論:音階や和音、リズム、音楽の基本的な理論に関する問題
•音楽の歴史と作曲家:特定の作曲家や音楽時代に関する知識の確認
•即興演奏やアンサンブル演奏:アドリブやグループ演奏の技能も評価されることがあります
3.取得方法
各レベルで一定の成績を収めると、バッジが授与されます。このバッジは、音楽的な達成を示すもので、学業や職業においても有用な証明書となることがあります。
4.音楽教育の促進
Musikabzeichenは音楽を学ぶ動機づけにもなり、子どもたちに音楽の学習を楽しませ、継続的に学び続けるための励みとなります。
このバッジは、音楽教育の普及と音楽的なスキルの向上を目的としており、ドイツの音楽学校や地域音楽教育のシステムに組み込まれていることが多いです。
•対象: 音楽を専門的に学ぶ人
Staatliche Musikprüfungen(州立音楽試験)は、ドイツなどのドイツ語圏で行われる音楽に関する公的な試験のことを指します。この試験は、音楽家としての正式な資格や認定を得るための重要なステップとなります。主に音楽学校や音楽大学、または専門的な音楽教育機関において実施され、個々の技術や知識が評価されます。
州立音楽試験にはいくつかの種類がありますが、一般的には以下のような特徴があります。
1.試験内容
•演奏試験: 特定の楽器や声楽の技術を試験する部分。演奏する曲目には、クラシック音楽や現代音楽、場合によっては即興演奏が含まれることもあります。
•理論試験: 音楽理論、和声学、対位法などの理論に関する知識を問う部分。
•耳コピ: 音楽を聴いて、そのメロディやハーモニーを再現する能力を評価します。
•音楽歴史: 音楽史に関する理解や、作曲家や作品の背景についての知識を問われることもあります。
2.対象者
•音楽学校や大学、音楽アカデミーなどで学んでいる学生、または音楽家としての専門的なキャリアを追求している人々が対象となります。
3.試験の目的
•音楽家としてのスキルと知識のレベルを正式に証明すること。
•音楽教育機関や専門家によって、演奏技術や音楽的な理解が一定の基準を満たしているかを確認するためのものです。
4.試験の難易度
•難易度は試験の種類や受験者の進行度によって異なります。音楽大学などで行われるものは、特に高度な技術と深い知識が求められます。
5.結果
•試験に合格すると、音楽家としての資格を得ることができ、音楽教育機関への進学や音楽業界でのキャリアを築く際に有利になります。
州立音楽試験は、音楽家としての道を歩むための重要なステップであり、技術的なスキルだけでなく、音楽に対する深い理解と愛情も求められる試験です。
•対象: クラシック音楽専攻者
DEM(Diplôme d’Études Musicales)は、フランスの音楽教育制度における中級レベルの音楽資格で、音楽学校(Conservatoire)での高度な専門的な訓練を受けた学生に授与されます。この資格は、音楽の技術的なスキルだけでなく、音楽理論や表現力も重視される内容です。
DEMは、音楽の基礎理論から高度な演奏技術、作曲、編曲などの知識を含んでおり、音楽の多様な分野での理解と実力を示すものです。
2.専門分野:
DEMはさまざまな楽器や音楽分野で取得することができます。例えば、ピアノ、ギター、ヴァイオリン、声楽、作曲、指揮などが対象となります。
3.試験内容:
DEMを取得するためには、演奏試験や理論試験、音楽史に関するテストなどが含まれます。演奏試験では、選ばれた曲を演奏し、技術的な能力と表現力が評価されます。
4.音楽の理解と実技:
理論的な試験だけでなく、音楽を実際に演奏することが非常に重要です。そのため、演奏のスキルや音楽的な解釈力も必要です。
5.フランスの音楽教育制度:
DEMはフランスの音楽院(Conservatoires)での教育を受けることが前提となり、特定の期間(通常数年)で高度な訓練を受ける必要があります。
6.進学やプロフェッショナルな道への足掛かり:
DEMは、フランスや他の国々での音楽の大学進学や、プロの音楽家としての道に進むための資格として広く認識されています。
•カリキュラム:演奏技術、音楽理論、作曲、音楽史など、幅広い分野の知識を学びます。
•試験:最終的に専門の試験を受け、合格することでDEMを授与されます。
DEMは音楽家としての技術や知識を証明する重要な資格であり、特にフランス国内での音楽活動や教育において高く評価されています。
•対象:音楽を学ぶ学生
CFEM(Certificat de Fin d’Études Musicales)は、フランスの音楽教育における終了証書であり、音楽学校や音楽院での学びを終了した証として授与されます。この資格は、音楽教育課程の終わりに受けるもので、一定の基準に達した学生に対して発行されます。
CFEMは通常、フランスの音楽教育システムの中で重要な位置を占めており、フランスの音楽学校において高いレベルの教育を受けたことを証明します。具体的には、以下の要素が含まれます:
•演奏試験:選ばれた楽器または声楽の演奏が評価されます。
•理論試験:音楽理論、和声、対位法などの知識が問われます。
•ソルフェージュ試験:音符の読み書きや即興演奏、聴音能力が評価されます。
このように、CFEMは音楽教育における一つの大きなマイルストーンであり、専門的な音楽家としての道を歩むための重要なステップです。
•対象: 中国楽器演奏者
中国音楽学院(中央音楽学院)グレード試験は、中国で音楽を学ぶ学生向けの認定試験で、特に楽器や声楽の技術的なスキルを評価するために設けられています。この試験は、音楽の基本的な技術から高度な演奏能力まで、さまざまなレベルで実施されており、音楽学校や音楽教育機関でも一般的に導入されています。
中国音楽学院グレード試験は、通常、複数のレベルに分かれており、初心者から上級者まで対応しています。たとえば、レベル1(初級)からレベル10(上級)まであり、受験者は自身の技術に応じたレベルで試験を受けます。
2.試験内容:
試験の内容は、楽器演奏(ピアノ、バイオリン、ギターなど)や声楽を含み、特定の楽曲を演奏することが求められます。また、楽曲の選定には、試験レベルごとに定められた曲集から選ばれることが一般的です。
3.評価基準:
音楽学院のグレード試験は、技術的な精度、音楽性、表現力、リズム感など、多岐にわたる要素を評価します。演奏者の表現力や音楽の解釈も重要な評価項目となります。
4.試験形式:
試験は一般的に面接形式で行われ、演奏の他にも、楽典や音楽理論に関する簡単な質問が行われる場合もあります。演奏は通常、審査員の前で行い、評価が下されます。
5.認定証:
試験に合格すると、グレードに応じた認定証が授与され、これを音楽の技術的な証明として、音楽業界や教育機関で活用することができます。
•音楽教育機関や音楽学校での選考基準にも利用されることが多く、進学や資格取得のためにも役立ちます。
•リズムと音楽性の向上: 表現力や音楽的な解釈を深めるために、演奏だけでなく音楽全体の理解も深める必要があります。
•模擬試験や過去問題の活用: グレード試験の形式に慣れるため、模擬試験を行うことや、過去の試験問題を確認することが効果的です。
これらの準備を通じて、試験の合格を目指すことができます。
•クラシック音楽向け: YAMAHAグレード(日本)、ABRSM(英国)、RCM(カナダ)、DEM(フランス)など
•ポピュラー音楽向け: Rockschool(イギリス)、Trinity(イギリス)など
•教育者向け: MTNA(米国)、PTNA(日本)など
•伝統音楽向け: 中国音楽学院試験(中国)、ドイツの吹奏楽検定など
音楽能力の基準は非常に曖昧で、多くの方が主観的な感覚のみで判断してしまいがちです。
音楽検定の取得は客観的な評価を得られるため、プロを目指す方はレッスン教室を運営している先生方にとってはもちろん、音楽を始めたばかりの初学者の皆様の練習意欲向上、趣味で音楽を楽しむ方にとっての実力試しなど、多くの理由で非常に有効です。
音楽検定受検はこちらから
1.日本音楽能力検定(日本)
特徴
•日本音楽能力検定協会が主催する検定で、ボーカル、ギター、ベース、ドラム、ピアノ、ウクレレ、トランペット、ヴァイオリン、サックス、楽譜読み書きなど幅広く実施中。特定の音楽関連会社内での資格ではないため、最も一般的な検定。•対象:初心者~プロ
試験のポイント
•全科目オンライン受検なので365日24時間いつでもご自宅から受検可能。•筆記試験:ご指定の日時にPDFで問題用紙、解答用紙が送られてくる形式。ダウンロード受検も可能。
•実技試験:お好きな2曲を動画にて送付。演奏ジャンルは自由。
日本音楽検定のメリット(他の検定との違い)
•クラシック寄りではなく様々なジャンルに対応•音楽を始めたばかりの初学者から受検可能
•オンライン受検のため最も手軽に受検できる
音楽検定受検はこちらから
2.YAMAHAグレード(日本)
•特徴: ヤマハ音楽振興会が主催する検定で、ピアノやエレクトーン、楽典、作曲など幅広い分野をカバー。グレード5級以上は指導者向け。•対象: 初心者~プロレベル
試験のポイント
•自由曲演奏:自分で選んだ曲を演奏
•初見演奏:楽譜を渡されてすぐに弾く
•即興演奏(5級以上):与えられた課題をもとに即興で演奏
•伴奏づけ(5級以上):メロディにコードをつけて弾く
→ 5級以上になると即興力やコードの知識が必要になり、音楽的な総合力が試される。
② 指導グレード
ヤマハ音楽教室で指導するために必要な資格を測る試験。これも10級から1級まであります。
試験のポイント
•演奏力:生徒に手本を示せるレベルの演奏力
•指導法:実際のレッスンを想定した指導力
•楽典・ソルフェージュ:音楽理論や聴音能力
→ 3級以上はヤマハの講師として活躍するための必須資格とされることが多い。
③YAMAHAグレードのメリット
1.音楽の総合力が身につく(演奏・即興・初見など)
2.指導資格として活用できる(特に指導グレード)
3.音楽のプロを目指すための基準になる(音楽大学やプロ活動への足がかり)
特に、即興演奏や伴奏づけがあるのが特徴的で、クラシックだけでなくポピュラー音楽やアレンジの力も求められます。
3.全日本ピアノ指導者協会(PTNA)ピアノ検定
•特徴: ピアノの演奏技術を評価する検定。初級から上級まで幅広いレベルに対応。•対象: ピアノ学習者
全日本ピアノ指導者協会(ピティナ、PTNA)は、ピアノ指導者や学習者、音楽愛好家を対象に、多岐にわたる検定やイベントを実施しています。主な検定制度として、以下のものがあります。
ピティナ・ピアノ指導者ライセンス
ピアノ指導者や指導者を目指す方を対象とした検定制度で、指導力の向上と自己研鑽を目的としています。試験科目は以下の4つに分かれています。•指導実技:模擬レッスンなどを通じて、実際の指導能力を評価します。
•演奏実技:バロック、古典、ロマン、近現代の各時代から選曲し、演奏技術を検定します。
•筆記試験:音楽通論、音楽史、楽曲分析など、音楽知識の理解度を測ります。
•エッセイ(小論文):受講したセミナーの内容を、今後の指導にどう活用するかをまとめます。
各級の合格には、これらの試験をクリアする必要があり、合格後も3年ごとの更新が求められます。
ピティナ・ピアノ演奏検定
ピアノ学習者を対象とした検定で、学習者自身や指導者に学習の目標を提供し、ピアノ演奏のレベル向上を目指しています。ソロ部門(A2級~F級)やデュオ部門(連弾初級~上級)などがあり、参加資格は特に設けられていません。参加者の実力に応じた級を選択できます。ピティナ・ピアノステップ
年齢や経験を問わず参加できる公開ステージで、全国各地で年間600地区以上開催されています。参加者は課題曲と自由曲を演奏し、プロの音楽家から直接アドバイスを受けることができます。評価はS、A、B、C、Dの5段階で行われ、継続的な参加を奨励する表彰制度も設けられています。これらの検定やイベントを通じて、ピティナはピアノ教育の質の向上と、指導者および学習者の継続的な成長を支援しています。
4.各種グレード試験(カワイ、ローランドなど)
•特徴: 楽器メーカーが主催するグレード試験。ピアノ、エレクトーンなど楽器ごとに異なる。•対象: 各メーカーの音楽教室の生徒や一般受験者
カワイ音楽グレード
対象楽器: ピアノ、電子オルガン(ドリマトーン)特徴:
• 「演奏グレード」「指導グレード」に分かれる。
• 1級〜15級まであり、15級が初心者レベル、1級が最上級。
• 13〜7級: 一般の生徒向け(課題曲+自由曲)
• 6級以上: 専門的な内容(初見演奏や楽典を含む)
• 3級以上: 音楽指導者レベル(指導法や即興演奏も必要)
ヤマハと似ているが、カワイの方が技術面を重視する傾向がある。
ローランド ミュージック・グレード
対象楽器: ピアノ、電子オルガン、ドラム、ギター、ベース、ボーカルなど特徴:
•クラシックだけでなくポップスやジャズにも対応。
•1級〜9級まであり、級が上がるほど高度な演奏技術や理論が求められる。
•「演奏グレード」「指導グレード」に分かれるが、ヤマハ・カワイより自由度が高い。
•即興演奏やバンドアンサンブルの評価もある。
ポピュラーミュージックを重視しているのが特徴で、特にドラムやギターなどの試験は実践的。
5.ABRSM(イギリス)
•特徴: 世界的に有名な音楽検定。演奏・理論・聴音・視唱などを含む。•対象: 初心者~プロ、音大志望者
ABRSM(Associated Board of the Royal Schools of Music、英国王立音楽検定)は、イギリスの4つの王立音楽学校(王立音楽大学、王立音楽アカデミー、王立スコットランド音楽院、王立北音楽大学)が共同で運営する国際的な音楽検定機関です。
ABRSMの概要
•設立:1889年•本部:ロンドン
•対象:ピアノ、弦楽器、管楽器、声楽、音楽理論など多岐にわたる
•受験可能地域:世界90か国以上
•目的:音楽教育の質を高め、世界標準の評価基準を提供する
試験の種類
ABRSMには主に以下の試験があります。実技試験(Practical Exams)
• グレード:1級(Grade 1)~8級(Grade 8)
• 試験内容:
1. 演奏課題曲(リストから選択)
2. スケールとアルペジオ
3. 視奏(Sight-Reading)
4. オーラルテスト(Aural Tests)(聴音、リズム、音程の識別など)
• ディプロマ試験(ARSM, DipABRSM, LRSM, FRSM)
グレード8の上級レベルとして、演奏家や音楽教師向けの専門資格試験もある。
音楽理論試験(Music Theory Exams)
• グレード1~8
• 4級以上は記述式(調号、和声分析、楽典、作曲など)
• グレード5以上を受験しないと、グレード6~8の実技試験を受けられない
演奏グレード試験(Performance Grades)
• 2020年に新設されたオンライン試験
• 4曲の演奏録画を提出する形式
ABRSMの特徴
1.国際的な評価基準:音楽教育の標準として広く認知されている2.実技と理論のバランス:理論試験が実技のステップアップに不可欠
3.クラシック音楽が中心:ポピュラー音楽やジャズは少なめ(ただし、Jazzグレードも存在)
4.合格率は比較的高いが、ハイレベルな演奏を求められる
ABRSMのメリット
•国際的な認知度が高く、音楽留学や就職に有利•演奏技術と総合的な音楽力が向上する
•実技試験だけでなく、理論や聴音の力も鍛えられる
受験の流れ
1.申込み(オンラインで受付)2.試験準備(公式シラバスに沿って練習)
3.試験実施(筆記または実技)
4.採点・結果発表(スコアシートとコメント付き)
6.Trinity College London(イギリス)
•特徴: ABRSMに並ぶ音楽検定で、演奏・即興・アンサンブルなど実技重視。•対象: クラシック、ポップス、ジャズの演奏者
MTNA(Music Teachers National Association, 全米音楽教師協会)は、アメリカの音楽教育者向けの専門団体で、1876年に設立されました。MTNAは、音楽教師の専門性を高めるためのさまざまなプログラムを提供しており、その中に 「MTNA認定プログラム(MTNA Certification Program)」 があります。
MTNA認定プログラムとは?
MTNAの認定資格(Nationally Certified Teacher of Music, NCTM)は、音楽教師としての専門的な知識と指導力を証明する資格で、アメリカ国内および一部の国際的な場面で評価されています。この資格を取得すると、公式に 「NCTM(Nationally Certified Teacher of Music)」 の称号を名乗ることができます。認定プロセス
MTNAの認定を受けるには、以下の5つの要素から成る試験をクリアする必要があります。1.教育理念と指導法(Philosophy and Professionalism Statement)
•自身の音楽教育の理念、指導法、教育目標などを文書化。
•音楽指導の意義や、個々の生徒にどのように対応するかを示す。
2.指導能力の証明(Professional Teaching Demonstration)
•実際のレッスンを撮影した動画を提出し、指導技術を証明。
•生徒への指導スキルや教育的アプローチを評価される。
3.音楽理論とパフォーマンススキル(Musical Skills and Knowledge)
•音楽理論、視唱、聴音、演奏技術の試験が課される。
•ピアノ、ヴァイオリン、声楽などの楽器ごとに求められるレベルが異なる。
4.専門的な発展(Professional Growth)
•これまでの音楽教育のキャリアや、ワークショップ・セミナーへの参加履歴を提出。
•継続的に学習・研究を行っていることを証明する。
5.生徒の進歩の証明(Student Progress)
•指導した生徒の成長記録を提出し、指導成果を証明。
•生徒がどのように上達したかを具体的な例とともに示す。
受験資格と費用
•受験資格: 音楽指導者(大学卒業が望ましいが必須ではない)•受験費用: 約200~375ドル(楽器や専門分野による)
•更新要件: 5年ごとに更新が必要(継続教育の証明など)
MTNA認定のメリット
•音楽教育者としての専門的な資格を得られる。•MTNAのネットワークを活用し、教育法や最新の研究にアクセスできる。
•音楽教室の信頼度が向上し、生徒の獲得につながる。
•MTNAのイベントやコンペティションに関わる機会が増える。
7.Rockschool(イギリス)
•特徴:ポピュラー音楽・ロック・ジャズなどの実技試験が充実。•対象:ギター、ベース、ドラム、ボーカルなどのプレイヤー
Rockschool(ロックスクール検定)は、イギリス発祥のポピュラー音楽向けのグレード試験(音楽検定)で、クラシック音楽のABRSM(英国王立音楽検定)やTrinity College London(トリニティ音楽検定)と並ぶ国際的な資格の一つです。
Rockschoolの特徴
•ポピュラー音楽に特化クラシック音楽ではなく、ロック、ポップス、ジャズ、メタルなどの現代音楽ジャンルを中心に扱う。
•楽器・ボーカル・音楽制作など多様な科目
ギター、ベース、ドラム、キーボード、ボーカルのほか、音楽制作(Music Production)や作曲などの分野もある。
•実践的な試験内容
技術だけでなく、グルーヴ感や音楽的な表現力も評価される。即興演奏やセッション能力を問う課題もある。
•国際的な資格
英国の教育資格機関「Ofqual(資格・試験規制庁)」に認定されており、グレード8以上は大学入試資格(UCASポイント)に換算可能。
試験の構成
Rockschoolの試験はグレード(級)に分かれており、初級(Debut)から最上級(Grade 8)まである。演奏系科目(ギター、ベース、ドラム、ボーカルなど)
1.指定楽曲の演奏
•課題曲(Rockschool公式テキストに掲載)を演奏
•一部の楽器では自作曲や自由曲の演奏も可能
2.テクニカルエクササイズ
•スケール、アルペジオ、リズムパターンなど
•即興演奏(Improv & Interpretation)が含まれることもある
3.耳コピ・視奏テスト(Supporting Tests)
•リズムまたはメロディを聴いて再現
•簡単な視奏(楽譜を見て演奏)
音楽制作(Music Production)
•DAWの操作、ミキシング、マスタリング、サウンドデザインなどのスキルを試験
•提出課題(アサインメント)と実技試験の組み合わせ
試験の受験方法
• 会場受験(Face-to-Face)
公式の試験会場で実技試験を受ける。
• オンライン受験(Video Exam)
演奏を録画し、提出する形式。
ロックスクール検定のメリット
•ポピュラー音楽のスキルを体系的に学べる•即興演奏やアドリブ能力が身につく
•国際資格として履歴書や進学に活用できる
•公式の課題曲が最新の音楽トレンドに沿っている
日本での受験
日本国内でも受験可能で、楽器店や音楽学校が試験センターになっていることが多い。試験日程や申し込み方法はRockschool Japanの公式サイトで確認できる。8.MTNA検定(アメリカ)
•特徴: 音楽教育者向けの試験で、演奏技術と指導力を評価。•対象: 音楽教師、指導者
MTNA(Music Teachers National Association、全米音楽教師協会)検定は、音楽教育の専門性を証明するための資格制度です。MTNAは1876年に設立されたアメリカの音楽教師団体で、ピアノ、声楽、弦楽器、管楽器などの指導者を支援しています。
MTNA検定の概要
MTNAが提供する認定制度(Certification Program)は、音楽教育者の専門性を保証し、生徒や保護者に信頼される指導者であることを証明するものです。MTNAの認定を受けることで、音楽教師としての権威や指導技術の向上が期待できます。MTNA認定プロセス
MTNAの認定(National Certification for Teachers of Music, NCTM)を取得するには、以下の5つのステップをクリアする必要があります。1.教育と経験の証明
•音楽学位(音楽教育・演奏など)を持っているか、同等の教育・経験があることを証明する。
•音楽教育の実務経験を持っていることが望ましい。
2.指導哲学と目標の記述
•自分の音楽教育に対する理念や指導のアプローチを文章にまとめる。
3.生徒の指導例の提出
•実際に生徒を指導している映像や指導計画を提出する。
•これにより、教育者としてのスキルが評価される。
4.レッスンプランの作成
•具体的な指導計画(レッスンプラン)を作成し、音楽教育の方法論を示す。
5.音楽知識と指導法の試験
•筆記試験またはオンラインテストで、音楽理論、教育法、歴史、演奏技術などの知識を証明する。
MTNA認定のメリット
•プロフェッショナルとしての信頼性向上→保護者や生徒からの信頼を得やすくなる。
•教育の質の向上
→検定を通じて自分の指導法を見直し、より良い教育を提供できる。
•キャリアの発展
→MTNA認定教師は、音楽教育機関や個人レッスンでの指導者として高く評価される。
•ネットワークの拡大
→MTNA主催のイベントやワークショップに参加できる。
更新と維持
MTNA認定は5年ごとに更新が必要で、継続的な教育活動や研修への参加が求められます。9.RCM(カナダ王立音楽院)検定(カナダ)
•特徴: カナダ発祥ながら、北米全体で広く認知。クラシック音楽の演奏技術を測る。•対象: クラシック演奏者
RCM(カナダ王立音楽院)検定とは?
RCM(Royal Conservatory of Music)は、カナダで最も権威のある音楽教育機関の一つであり、その検定(RCM Examinations)は、北米で広く認知されている音楽検定試験です。ピアノ、バイオリン、声楽、ギター、管楽器、理論など、多くの楽器や音楽分野に対応しています。RCM検定の特徴
1.段階的なカリキュラム•Preparatory(準備級)からLevel 10までのレベルがあり、その上に「ARCT(Associate of the Royal Conservatory of Toronto)」という専門レベルが存在します。
•レベルが上がるごとに技術的な要求が高まり、演奏技術、読譜力、音楽理論、視唱、聴音などのスキルが求められます。
2.試験科目
•実技試験(Practical Examination):課題曲、スケール&アルペジオ、視奏(Sight Reading)、聴音(Aural Skills)
•理論試験(Theory Examination):Level 5以上の実技試験を受ける場合、対応する理論試験の合格が必要になる。
3.認定と資格
•Level 10以上の合格者は、ARCTへの受験資格を得られる。
•高得点を取ると、奨学金や表彰を受けることも可能。
•カナダの高校では、一定のRCMレベルに達すると、単位として認められる場合もある。
4.評価基準
•各試験は100点満点で評価され、60点以上が合格。80点以上は「First Class Honors」、90点以上は「First Class Honors with Distinction」として表彰される。
メリット
•体系的な学習:段階ごとに必要なスキルが明確化されており、成長を実感しやすい。
•国際的な認知度:RCMの資格は北米や一部の国で評価が高く、大学入学時のアピールポイントにもなる。
•実技+理論のバランス:演奏だけでなく、楽典や聴音の能力も同時に鍛えられる。
受験方法
試験はカナダ国内および一部の国・地域で実施されており、オンライン試験のオプションも増えてきています。受験希望者は、RCMの公式サイトから申し込み、試験の詳細を確認できます。10.Musikabzeichen(ドイツ)
•特徴: 吹奏楽団員向けの試験で、演奏・楽典・聴音の試験がある。•対象: 吹奏楽、ブラスバンドのメンバー
Musikabzeichen(ドイツ音楽バッジ検定)は、ドイツで音楽教育の一環として行われている資格試験の一種で、音楽の技術や知識を証明するためのバッジを取得するための検定です。音楽を学ぶ子どもたちや成人が対象となっており、音楽の演奏技術や音楽理論、音楽史に関する知識を測る内容が含まれます。
このバッジ制度は、特に学校や音楽教室で広く利用されており、段階的に難易度が設定されています。
1.レベルと段階
Musikabzeichenにはいくつかのレベルがあり、初級から上級までさまざまな段階で試験が行われます。各レベルごとに異なる要求があり、受験者はそのレベルに応じた演奏や理論の知識を証明する必要があります。
2.試験内容
試験は主に以下の要素から構成されます:
•演奏技術:指定された楽器(ピアノ、ギター、弦楽器など)を使った演奏、または歌唱
•音楽理論:音階や和音、リズム、音楽の基本的な理論に関する問題
•音楽の歴史と作曲家:特定の作曲家や音楽時代に関する知識の確認
•即興演奏やアンサンブル演奏:アドリブやグループ演奏の技能も評価されることがあります
3.取得方法
各レベルで一定の成績を収めると、バッジが授与されます。このバッジは、音楽的な達成を示すもので、学業や職業においても有用な証明書となることがあります。
4.音楽教育の促進
Musikabzeichenは音楽を学ぶ動機づけにもなり、子どもたちに音楽の学習を楽しませ、継続的に学び続けるための励みとなります。
このバッジは、音楽教育の普及と音楽的なスキルの向上を目的としており、ドイツの音楽学校や地域音楽教育のシステムに組み込まれていることが多いです。
Staatliche Musikprüfungen(ドイツ)
•特徴: 音楽学校や音楽大学進学者向けの試験。•対象: 音楽を専門的に学ぶ人
Staatliche Musikprüfungen(州立音楽試験)は、ドイツなどのドイツ語圏で行われる音楽に関する公的な試験のことを指します。この試験は、音楽家としての正式な資格や認定を得るための重要なステップとなります。主に音楽学校や音楽大学、または専門的な音楽教育機関において実施され、個々の技術や知識が評価されます。
州立音楽試験にはいくつかの種類がありますが、一般的には以下のような特徴があります。
1.試験内容
•演奏試験: 特定の楽器や声楽の技術を試験する部分。演奏する曲目には、クラシック音楽や現代音楽、場合によっては即興演奏が含まれることもあります。
•理論試験: 音楽理論、和声学、対位法などの理論に関する知識を問う部分。
•耳コピ: 音楽を聴いて、そのメロディやハーモニーを再現する能力を評価します。
•音楽歴史: 音楽史に関する理解や、作曲家や作品の背景についての知識を問われることもあります。
2.対象者
•音楽学校や大学、音楽アカデミーなどで学んでいる学生、または音楽家としての専門的なキャリアを追求している人々が対象となります。
3.試験の目的
•音楽家としてのスキルと知識のレベルを正式に証明すること。
•音楽教育機関や専門家によって、演奏技術や音楽的な理解が一定の基準を満たしているかを確認するためのものです。
4.試験の難易度
•難易度は試験の種類や受験者の進行度によって異なります。音楽大学などで行われるものは、特に高度な技術と深い知識が求められます。
5.結果
•試験に合格すると、音楽家としての資格を得ることができ、音楽教育機関への進学や音楽業界でのキャリアを築く際に有利になります。
州立音楽試験は、音楽家としての道を歩むための重要なステップであり、技術的なスキルだけでなく、音楽に対する深い理解と愛情も求められる試験です。
11.DEM(フランス)
•特徴: 音楽院(コンセルヴァトワール)の学生向けの検定。演奏技術と理論を評価。•対象: クラシック音楽専攻者
DEM(Diplôme d’Études Musicales)は、フランスの音楽教育制度における中級レベルの音楽資格で、音楽学校(Conservatoire)での高度な専門的な訓練を受けた学生に授与されます。この資格は、音楽の技術的なスキルだけでなく、音楽理論や表現力も重視される内容です。
DEMの主な特徴
1.音楽的な専門知識:DEMは、音楽の基礎理論から高度な演奏技術、作曲、編曲などの知識を含んでおり、音楽の多様な分野での理解と実力を示すものです。
2.専門分野:
DEMはさまざまな楽器や音楽分野で取得することができます。例えば、ピアノ、ギター、ヴァイオリン、声楽、作曲、指揮などが対象となります。
3.試験内容:
DEMを取得するためには、演奏試験や理論試験、音楽史に関するテストなどが含まれます。演奏試験では、選ばれた曲を演奏し、技術的な能力と表現力が評価されます。
4.音楽の理解と実技:
理論的な試験だけでなく、音楽を実際に演奏することが非常に重要です。そのため、演奏のスキルや音楽的な解釈力も必要です。
5.フランスの音楽教育制度:
DEMはフランスの音楽院(Conservatoires)での教育を受けることが前提となり、特定の期間(通常数年)で高度な訓練を受ける必要があります。
6.進学やプロフェッショナルな道への足掛かり:
DEMは、フランスや他の国々での音楽の大学進学や、プロの音楽家としての道に進むための資格として広く認識されています。
取得の流れ
•入学条件:通常は、音楽の基本的なスキルを持っていることが前提とされ、音楽学校への入学試験を通過する必要があります。•カリキュラム:演奏技術、音楽理論、作曲、音楽史など、幅広い分野の知識を学びます。
•試験:最終的に専門の試験を受け、合格することでDEMを授与されます。
DEMは音楽家としての技術や知識を証明する重要な資格であり、特にフランス国内での音楽活動や教育において高く評価されています。
12.CFEM(フランス)
•特徴:音楽学校の中級レベルの修了証。•対象:音楽を学ぶ学生
CFEM(Certificat de Fin d’Études Musicales)は、フランスの音楽教育における終了証書であり、音楽学校や音楽院での学びを終了した証として授与されます。この資格は、音楽教育課程の終わりに受けるもので、一定の基準に達した学生に対して発行されます。
CFEMは通常、フランスの音楽教育システムの中で重要な位置を占めており、フランスの音楽学校において高いレベルの教育を受けたことを証明します。具体的には、以下の要素が含まれます:
1.音楽的な技術と知識
CFEMを取得するには、特定の音楽的な技術や知識を習得し、証明する必要があります。これには、演奏技術、音楽理論、歴史、ソルフェージュ(音楽の読み書き能力)などが含まれます。2.審査内容
CFEMの審査は通常、以下の項目で行われます:•演奏試験:選ばれた楽器または声楽の演奏が評価されます。
•理論試験:音楽理論、和声、対位法などの知識が問われます。
•ソルフェージュ試験:音符の読み書きや即興演奏、聴音能力が評価されます。
3.課程の位置づけ
CFEMは、フランスの音楽教育課程における最上級の証書に近い位置付けを持ち、通常、Conservatoire(音楽院)の修了証書として授与されます。この証書を取得すると、音楽業界や演奏家としてのキャリアの道が開けることが多いです。4.国際的な認知
フランス国内での認知度は高く、CFEMを取得することで、音楽学校や音楽業界での信頼が得られます。また、フランス以外でも、この資格は音楽的な学びの証として一定の評価を受けることがあります。このように、CFEMは音楽教育における一つの大きなマイルストーンであり、専門的な音楽家としての道を歩むための重要なステップです。
13.中国音楽学院グレード試験(中国)
•特徴: 中国伝統楽器やクラシック楽器の検定。国家認定資格の一部。•対象: 中国楽器演奏者
中国音楽学院(中央音楽学院)グレード試験は、中国で音楽を学ぶ学生向けの認定試験で、特に楽器や声楽の技術的なスキルを評価するために設けられています。この試験は、音楽の基本的な技術から高度な演奏能力まで、さまざまなレベルで実施されており、音楽学校や音楽教育機関でも一般的に導入されています。
主要な特徴
1.レベル分け:中国音楽学院グレード試験は、通常、複数のレベルに分かれており、初心者から上級者まで対応しています。たとえば、レベル1(初級)からレベル10(上級)まであり、受験者は自身の技術に応じたレベルで試験を受けます。
2.試験内容:
試験の内容は、楽器演奏(ピアノ、バイオリン、ギターなど)や声楽を含み、特定の楽曲を演奏することが求められます。また、楽曲の選定には、試験レベルごとに定められた曲集から選ばれることが一般的です。
3.評価基準:
音楽学院のグレード試験は、技術的な精度、音楽性、表現力、リズム感など、多岐にわたる要素を評価します。演奏者の表現力や音楽の解釈も重要な評価項目となります。
4.試験形式:
試験は一般的に面接形式で行われ、演奏の他にも、楽典や音楽理論に関する簡単な質問が行われる場合もあります。演奏は通常、審査員の前で行い、評価が下されます。
5.認定証:
試験に合格すると、グレードに応じた認定証が授与され、これを音楽の技術的な証明として、音楽業界や教育機関で活用することができます。
試験の目的
•音楽技術の向上を目的としており、学生が自分の演奏能力を確認し、次のステップに進むための指標となります。•音楽教育機関や音楽学校での選考基準にも利用されることが多く、進学や資格取得のためにも役立ちます。
受験に向けた準備方法
•基本技術の強化: 各レベルの試験に求められる演奏技術をしっかりと身につけることが重要です。•リズムと音楽性の向上: 表現力や音楽的な解釈を深めるために、演奏だけでなく音楽全体の理解も深める必要があります。
•模擬試験や過去問題の活用: グレード試験の形式に慣れるため、模擬試験を行うことや、過去の試験問題を確認することが効果的です。
これらの準備を通じて、試験の合格を目指すことができます。
まとめ
•最も一般的:日本音楽能力検定(日本)•クラシック音楽向け: YAMAHAグレード(日本)、ABRSM(英国)、RCM(カナダ)、DEM(フランス)など
•ポピュラー音楽向け: Rockschool(イギリス)、Trinity(イギリス)など
•教育者向け: MTNA(米国)、PTNA(日本)など
•伝統音楽向け: 中国音楽学院試験(中国)、ドイツの吹奏楽検定など