2025/05/16
日本音楽能力検定協会です。
今回は「イベンターを経由してライブハウスに出演する際の注意点」について、詳しく解説させていただきます。
イベンターとは名ばかりでただ出演費用を中抜きするだけの悪質なイベンターが増えているようですので、下記をご参照の上、イベンター経由でライブに出演する際にはご注意・ご確認をお願い致します。
音楽検定受検はこちらから
ライブハウスにはそれぞれキャパや規模、知名度などに応じてホールレンタル料が設定されています。
小さなキャパでは5万円などの低額のハコもありますが、数百人数千人を動員できるハコでは数十万円というライブハウスも多く存在します。
今回は計算をしやすくするため、ホールレンタル料が20万円でキャパ200人のライブハウスと例に出します。※キャパとはキャパシティー(Capacity)の略で、お客様が何人まで入れる広さかという数字
20万円で一日貸切ることが出来るライブハウスでワンマンライブ(1バンドだけでライブを開催)を行うとすると、当然そのバンドが1バンドのみで20万円を支払います。
が、1バンドのみで200人を埋めるにはかなりの人気が必要となるため、多くの駆け出しバンドマン達は対バン形式(複数のバンドで出演)でライブを開催します。
例えば5バンドでライブを開催するとしたら、20万円÷5バンドなので1バンドの負担は4万円となります。
チケットが1枚2,000円とすると、1バンドのチケットノルマは4万円÷2,000円で20枚が各バンドのチケットノルマとなります。
20人のお客様を動員できたバンドは±0となり、バンドからライブハウスへの支払いは発生しません。
21枚チケットが売れたバンドは1枚分のチケット代がバンドの利益となります。
逆に10枚しかチケットが売れなかったバンドは10枚分の赤字となるため、ライブ終了後に2万円(2,000円×10枚)をライブハウスに支払うことになります。
ここまでが基本的なライブハウスの仕組みです。
ここにイベンターが介入するとどのようになるのか、次項で見ていきましょう。
音楽検定受検はこちらから
詐欺ではない優良なイベンターが介入しているイベントには、下記のようなメリットがあります。
②ライブ主催の常連であるため、通常よりも安くイベントを開催でき、バンド側の負担を減らしてくれる
③大きなライブハウスなどに名が通っており、本来出演出来ない規模のイベントにバンドを出演させられる
④有名人などをイベントに呼ぶことができる
この中でも特に①と②が最大のメリットです。
・駆け出しバンドの集客力を補ってくれる(本来よりも多くのお客様に見てもらえる)
・通常よりも安くライブに出られるためバンド側の負担が減る
つまり、多くのお客様の前で演奏できるのにノルマが安くなっているというのが、イベンターが介入するメリットです。
逆に言うとこのメリットを持っていないイベンターは存在する意味がないどころか、バンド側の負担を増やしているだけの詐欺師となってしまうのです。
次項で詳しくご説明させていただきます。
音楽検定受検はこちらから
「彼が主催するイベントは良いバンドがたくさん出るから楽しい!」「彼のイベントはとても盛り上がるから毎回行きたい!」などという価値をお客様に提供しているからこそ、どんなバンドが出るにしてもお客様が集まるのです。
しかし、名ばかりのイベンターは集客力が一切なく、ただバンドを集めて出演費用を中抜き(ピンハネ)しているだけです。
例えばホールレンタル料20万円のライブハウスで5バンドの対バンライブを開催する場合、先ほど計算したように1バンドあたりのノルマは4万円となります。
しかし詐欺イベンター主催のライブでは、各バンドから5万円ずつ集め、合計25万円を徴収します。
そしてライブハウスには20万円を支払った後、イベンターの手元には5万円の利益が残るという計算になります。
本来であればこの5万円の利益を得るため、イベンターは集客を頑張るべきです。
逆に言うとバンド側は集客を頑張ってくれたお礼として、通常よりも1万円高い出演料を払うわけです。
集客力のないイベンターであれば、バンド側は何のために1万円多く支払ったのでしょうか?
そのイベンターを介入しなければ本来4万円で済んだところ、何の意味もない1万円を多く払わされているのです。
そのイベンターがやったことと言えば、5バンド集めて1万円高い出演費用を伝えただけなのです。
本来であれば20万円のホールレンタル料のライブハウスなどに顔が売れているため、定期的にライブを開催することで1回ごとの料金を割引してもらえるという点です。
例えば20万円のライブハウスを15万円で借りることが出来れば、5バンドで対バンライブを開催する場合、1バンドあたりの負担は3万円で済みます。
これがイベンターが介入するメリット②です。
・詐欺イベンターはバンド側の負担を増やし、お客様を一切呼ばない
あなたが普段出演しているライブに介入しているイベンターはいかがでしょうか?
集客を一切しないのに出演費から中抜きしているようであれば、残念ながら詐欺イベンターであると言わざるを得ません。
世の中としてバンドが流行っていたため、「今日は暇だからライブハウスに行こう」ということがあった時代で、現代で言うと「今日はクラブに行こう」「暇だからスタバに寄ろう」というように、お客様の方から自発的にライブハウスに足を運んでいた時代があったのです。
その頃のバンドマンはライブハウスに出演するために出演費用を払う必要がなく、それどころかギャラを貰えていたのです。
お客様がライブハウスに払ったお金を、ライブハウスとバンドで分けるという仕組みでした。
そのためバンドマン達は自分の曲やパフォーマンスを磨くことに集中でき、より良い曲や魅力的なパフォーマンスをでき、その結果お客様がファンになり、良い循環を生んでいたと言えます。
しかし時は過ぎ、バンドブームは終わり、バンドマンにとっての氷河期がやってきました。
その頃になるとライブハウスに自発的に足を運ぶお客様はいなくなり、ライブハウスは運営の苦境に立たされます。
そこでライブハウス側が思いついたのがノルマ制です。
つまり、集客努力をバンド側に押し付けたのです。
これによりバンドマン達は、
・曲作りやパフォーマンスの練習をしたいが、集客もしなければ・・・
・集客ができなかったので赤字を支払うことに・・・
・しかも客席はガラガラで、何のためにお金を払ったのか分からない・・・
という状態になってしまい、どんどん疲弊していきます。
既にお気付きの方もいらっしゃるかと存じますが、本来であればライブハウス側が集客をするべきなのです。
しかしライブハウス側が集客を放棄し、バンド側に押し付けたことによって、バンド側は曲作りやパフォーマンスに集中できず、かといって集客力もまだあまりないバンドばかりですので、ただ高いお金(ノルマ)を払ってガラガラのライブハウスで演奏するだけという惨劇になってしまいました。
本題に戻りますが、そこに対してさらにお金を取ろうとしてくるのが詐欺イベンターです。
もともと集客力のないバンドにさらに上乗せした金額を請求し、自分では集客をすることなく、ただ中抜きをしているという状態です。
→こうすることでイベンターが実際の出演費より安くしてくれているか、また、今回のイベントでバンドからいくら中抜きするつもりなのかが分かります。
ライブ開催前にイベンターに「今回は何人くらいのお客様が来る予定ですか?」「あなたはどれくらいのお客様を呼べるのですか?」と質問をしてみましょう。
この質問に答えられない、またはゼロのようであれば間違いなく詐欺イベンターです。
その場合はそのイベンターを通さず、直接ライブハウスに出演するのと同じで、出演費用も安く済みます。
イベンターに直接動員数を尋ねられないようでしたら、そのイベントの合計動員数から各バンドが呼んだお客様の合計数を引くと、イベンターが呼んだ動員数が導き出せます。
その数字が少ない、もしくはゼロのようでしたら、イベンターは集客をせずただバンドに声をかけただけということになります。
楽器の購入費用、スタジオでの練習費用、ピックやシールドや弦などの消耗品、そしてライブハウスへのノルマなど、ステージ立つ前に既に出費がかさみます。
そういうわけなのでお客様の動員を頑張り、ライブ後には利益が出ていないとバンド活動などとてもやっていけないのです。
ですので詐欺イベンターに無駄に中抜きされている場合ではなく、
・イベンターを通さず直接ライブハウスに出演する
・イベンターを通すのであれば動員が多いなどのメリットがあるか確認する
ということが非常に重要です。
音楽検定受検はこちらから
今回は「イベンターを経由してライブハウスに出演する際の注意点」について、詳しく解説させていただきます。
イベンターとは名ばかりでただ出演費用を中抜きするだけの悪質なイベンターが増えているようですので、下記をご参照の上、イベンター経由でライブに出演する際にはご注意・ご確認をお願い致します。
音楽検定受検はこちらから
ライブハウスの仕組みを知ろう
まずはライブハウスの仕組みを知ることが重要ですのでご説明させていただきます。ライブハウスにはそれぞれキャパや規模、知名度などに応じてホールレンタル料が設定されています。
小さなキャパでは5万円などの低額のハコもありますが、数百人数千人を動員できるハコでは数十万円というライブハウスも多く存在します。
今回は計算をしやすくするため、ホールレンタル料が20万円でキャパ200人のライブハウスと例に出します。※キャパとはキャパシティー(Capacity)の略で、お客様が何人まで入れる広さかという数字
20万円で一日貸切ることが出来るライブハウスでワンマンライブ(1バンドだけでライブを開催)を行うとすると、当然そのバンドが1バンドのみで20万円を支払います。
が、1バンドのみで200人を埋めるにはかなりの人気が必要となるため、多くの駆け出しバンドマン達は対バン形式(複数のバンドで出演)でライブを開催します。
例えば5バンドでライブを開催するとしたら、20万円÷5バンドなので1バンドの負担は4万円となります。
チケットが1枚2,000円とすると、1バンドのチケットノルマは4万円÷2,000円で20枚が各バンドのチケットノルマとなります。
20人のお客様を動員できたバンドは±0となり、バンドからライブハウスへの支払いは発生しません。
21枚チケットが売れたバンドは1枚分のチケット代がバンドの利益となります。
逆に10枚しかチケットが売れなかったバンドは10枚分の赤字となるため、ライブ終了後に2万円(2,000円×10枚)をライブハウスに支払うことになります。
ここまでが基本的なライブハウスの仕組みです。
ここにイベンターが介入するとどのようになるのか、次項で見ていきましょう。
音楽検定受検はこちらから
イベンターとは何のために存在しているか?
イベンターとはその名の通り、イベントを主催・開催する人のことです。詐欺ではない優良なイベンターが介入しているイベントには、下記のようなメリットがあります。
優良なイベンターが介入するメリット
①集客力があり、出演バンドは多くのお客様の前でパフォーマンスが出来る②ライブ主催の常連であるため、通常よりも安くイベントを開催でき、バンド側の負担を減らしてくれる
③大きなライブハウスなどに名が通っており、本来出演出来ない規模のイベントにバンドを出演させられる
④有名人などをイベントに呼ぶことができる
この中でも特に①と②が最大のメリットです。
・駆け出しバンドの集客力を補ってくれる(本来よりも多くのお客様に見てもらえる)
・通常よりも安くライブに出られるためバンド側の負担が減る
つまり、多くのお客様の前で演奏できるのにノルマが安くなっているというのが、イベンターが介入するメリットです。
逆に言うとこのメリットを持っていないイベンターは存在する意味がないどころか、バンド側の負担を増やしているだけの詐欺師となってしまうのです。
次項で詳しくご説明させていただきます。
音楽検定受検はこちらから
集客をしないイベンターは詐欺
先程ご説明させていただいた通り、イベンターが介入する最大のメリットは大きく分けて下記の2つです。多くのイベンターが下記の二つのメリットを満たしているかどうか、詳しく見ていきましょう。①集客力があり、出演バンドは多くのお客様の前でパフォーマンスが出来る
イベンターが介入する最大のメリットはお客様を呼んでくることです。「彼が主催するイベントは良いバンドがたくさん出るから楽しい!」「彼のイベントはとても盛り上がるから毎回行きたい!」などという価値をお客様に提供しているからこそ、どんなバンドが出るにしてもお客様が集まるのです。
しかし、名ばかりのイベンターは集客力が一切なく、ただバンドを集めて出演費用を中抜き(ピンハネ)しているだけです。
例えばホールレンタル料20万円のライブハウスで5バンドの対バンライブを開催する場合、先ほど計算したように1バンドあたりのノルマは4万円となります。
しかし詐欺イベンター主催のライブでは、各バンドから5万円ずつ集め、合計25万円を徴収します。
そしてライブハウスには20万円を支払った後、イベンターの手元には5万円の利益が残るという計算になります。
本来であればこの5万円の利益を得るため、イベンターは集客を頑張るべきです。
逆に言うとバンド側は集客を頑張ってくれたお礼として、通常よりも1万円高い出演料を払うわけです。
集客力のないイベンターであれば、バンド側は何のために1万円多く支払ったのでしょうか?
そのイベンターを介入しなければ本来4万円で済んだところ、何の意味もない1万円を多く払わされているのです。
そのイベンターがやったことと言えば、5バンド集めて1万円高い出演費用を伝えただけなのです。
②ライブ主催の常連であるため、通常よりも安くイベントを開催でき、バンド側の負担を減らしてくれる
優良なイベンターのメリットはもう一つあります。本来であれば20万円のホールレンタル料のライブハウスなどに顔が売れているため、定期的にライブを開催することで1回ごとの料金を割引してもらえるという点です。
例えば20万円のライブハウスを15万円で借りることが出来れば、5バンドで対バンライブを開催する場合、1バンドあたりの負担は3万円で済みます。
これがイベンターが介入するメリット②です。
まとめ
・優良なイベンターはバンド側の負担を減らし、お客様を増やす・詐欺イベンターはバンド側の負担を増やし、お客様を一切呼ばない
あなたが普段出演しているライブに介入しているイベンターはいかがでしょうか?
集客を一切しないのに出演費から中抜きしているようであれば、残念ながら詐欺イベンターであると言わざるを得ません。
詐欺イベンターが発生する背景~昔はライブハウス自体に集客力があった~
数十年前のバンドブームの頃には、ライブハウス自体に集客力がありました。世の中としてバンドが流行っていたため、「今日は暇だからライブハウスに行こう」ということがあった時代で、現代で言うと「今日はクラブに行こう」「暇だからスタバに寄ろう」というように、お客様の方から自発的にライブハウスに足を運んでいた時代があったのです。
その頃のバンドマンはライブハウスに出演するために出演費用を払う必要がなく、それどころかギャラを貰えていたのです。
お客様がライブハウスに払ったお金を、ライブハウスとバンドで分けるという仕組みでした。
そのためバンドマン達は自分の曲やパフォーマンスを磨くことに集中でき、より良い曲や魅力的なパフォーマンスをでき、その結果お客様がファンになり、良い循環を生んでいたと言えます。
しかし時は過ぎ、バンドブームは終わり、バンドマンにとっての氷河期がやってきました。
その頃になるとライブハウスに自発的に足を運ぶお客様はいなくなり、ライブハウスは運営の苦境に立たされます。
そこでライブハウス側が思いついたのがノルマ制です。
つまり、集客努力をバンド側に押し付けたのです。
これによりバンドマン達は、
・曲作りやパフォーマンスの練習をしたいが、集客もしなければ・・・
・集客ができなかったので赤字を支払うことに・・・
・しかも客席はガラガラで、何のためにお金を払ったのか分からない・・・
という状態になってしまい、どんどん疲弊していきます。
既にお気付きの方もいらっしゃるかと存じますが、本来であればライブハウス側が集客をするべきなのです。
しかしライブハウス側が集客を放棄し、バンド側に押し付けたことによって、バンド側は曲作りやパフォーマンスに集中できず、かといって集客力もまだあまりないバンドばかりですので、ただ高いお金(ノルマ)を払ってガラガラのライブハウスで演奏するだけという惨劇になってしまいました。
本題に戻りますが、そこに対してさらにお金を取ろうとしてくるのが詐欺イベンターです。
もともと集客力のないバンドにさらに上乗せした金額を請求し、自分では集客をすることなく、ただ中抜きをしているという状態です。
騙されないための対策
最後に、そのような詐欺イベンターに騙されて余計なお金を取られないための対策をお伝え致します。対策1:
・出演する予定のライブハウスに電話やメール、またはホームページなどで「本来のホールレンタル料」を調べる→こうすることでイベンターが実際の出演費より安くしてくれているか、また、今回のイベントでバンドからいくら中抜きするつもりなのかが分かります。
対策2:
・事前に動員予定数をイベンターに聞くライブ開催前にイベンターに「今回は何人くらいのお客様が来る予定ですか?」「あなたはどれくらいのお客様を呼べるのですか?」と質問をしてみましょう。
この質問に答えられない、またはゼロのようであれば間違いなく詐欺イベンターです。
その場合はそのイベンターを通さず、直接ライブハウスに出演するのと同じで、出演費用も安く済みます。
対策3:
・合計動員数-出演バンドが呼んだお客様の数=イベンターが呼んだお客様の数イベンターに直接動員数を尋ねられないようでしたら、そのイベントの合計動員数から各バンドが呼んだお客様の合計数を引くと、イベンターが呼んだ動員数が導き出せます。
その数字が少ない、もしくはゼロのようでしたら、イベンターは集客をせずただバンドに声をかけただけということになります。
最後に
バンド活動とはいわばマイナススタートです。楽器の購入費用、スタジオでの練習費用、ピックやシールドや弦などの消耗品、そしてライブハウスへのノルマなど、ステージ立つ前に既に出費がかさみます。
そういうわけなのでお客様の動員を頑張り、ライブ後には利益が出ていないとバンド活動などとてもやっていけないのです。
ですので詐欺イベンターに無駄に中抜きされている場合ではなく、
・イベンターを通さず直接ライブハウスに出演する
・イベンターを通すのであれば動員が多いなどのメリットがあるか確認する
ということが非常に重要です。
音楽検定受検はこちらから